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結婚ビザの在留資格変更許可申請とは?

結婚ビザの在留資格変更許可申請とは?

この記事のサマリー
  • 変更申請は必須ではない
  • 離婚時は在留資格の該当性に注意
  • 原則は両国での婚姻手続きが必要

このページでは、配偶者ビザ・結婚ビザ申請のひとつである在留資格変更許可申請について解説しています。

在留資格変更許可申請とは

在留資格の変更許可してもらうための申請』という意味です。一般的には変更申請と略されています。

外国人配偶者が日本在住なら変更申請

  1. 在留資格認定申請
  2. 在留資格変更申請
  3. 在留期間更新申請

結婚ビザ・配偶者ビザを取得するには上記3つの方法があります。あなたと外国人配偶者が現時点で日本国内に居住していれば、2の変更申請を行います。

もっと具体的に

在留資格変更許可申請の具体例

配偶者が現在、留学生や会社員として来日している場合は通常、変更申請で結婚ビザを取得します。

在留資格の意味は?

かんたんにいうと、何の目的で日本に滞在しているのかを明らかにするものを在留資格といいます。出入国在留管理庁のWebサイトでは以下のように説明されています。

在留資格とは、外国人が我が国に入国・在留して従事することができる活動または入国、在留できる身分または地位について類型化し、法律上明らかにしたもの。

在留資格はどこで確認できる?

在留カード

在留カードの見本

  • 大学や専門学校で勉強中「留学」など
  • 営業職の会社員「技術・人文知識・国際業務」など

赤枠部分に在留資格の名称が印字されています。この部分を「日本人の配偶者等」に書き換えることが変更申請という理解でOKです。

ビザと在留資格の違い

ビザと在留資格は厳密には意味が異なる

厳密には異なる言葉ですが、ビザと在留資格はほとんど同じ、という認識で構いません。

変更申請の場合は、ビザ申請(査証申請)が原則不要なので、違いについては無視してもOKです。引き続き、この記事でも2つをまとめて配偶者ビザと呼称します。

  • ビザ(査証,VISA)入国審査で必要になる
  • 在留資格日本での生活時に必要になる

日本の空港で入国審査(上陸審査)を受ける際に求められるのがビザです。ビザは海外にある日本大使館や領事館で発行されますが、今回は配偶者が既に日本へ入国しています。つまり、入国審査はパスしているため、ビザは不要になります。

一方で、在留資格はどんな理由があれ必ず求められます。以上の説明は時間もかかり、また必須の情報でもないため、行政書士や弁護士さんも便宜的にまとめて「ビザ」と呼びます。

在留資格変更許可申請の流れ

変更申請から配偶者ビザの交付まではこのように流れていきます。

STEP.1
あなたと配偶者が申請書類を準備

手続き日本側

STEP.2
出入国在留管理局へ出向き書類を提出
手続き日本側
STEP.3
2週間~1ヵ月間待つ
手続き日本側
STEP.4
審査結果が郵送で通知される
手続き日本側
出入国在留管理局で在留カードを受領👌

在留カードの受領で手続き完了

新しい配偶者ビザの在留カード

配偶者ビザへの変更が認められると、新しい在留カードが交付されます。

変更申請は必須ではない

日本人配偶者

結婚したら必ず配偶者ビザに変更しなければなりませんか?😮

在留資格の変更は必須ではありません。ただ、普通預金と定期預金で金利が異なるように、在留資格にも優遇される在留資格とそうでない在留資格があります。

配偶者ビザはメリットが多い

ほかの在留資格に比べて、配偶者ビザは優遇されています。留学ビザや就労系ビザであれば、配偶者ビザへ変更したほうが享受できるメリットは多いといえます。

ビザの種類配偶者ビザ就労系ビザ
仕事の制限なし(どんな仕事にも就ける)ビザの範囲内のみで可
退職した場合制約なし(退職や就職は自由)転職しない場合は原則帰国
永住権の取得原則3年後(最短1年で申請可能)原則10年後

変更が難しいビザもある

日本には約30種類の在留資格があります。「留学」や「技術・人文知識・国際業務」からの変更であれば特段問題はありませんが、変更申請が困難なビザも存在します。

興行ビザ・タレントビザ

興行・タレントビザから配偶者ビザへの変更は難しい

フィリピン国籍の方に多い興行ビザ(エンターテイナー)ですが、変更申請はあまり使われません。

滞在期間も3~6ヵ月と比較的短いため、一度帰国してもらったあと、在留資格認定証明書交付申請を利用するケースが多いです。

技能実習ビザ・研修ビザ

技能実習ビザから配偶者ビザへの変更は難しい

技能実習生はビザの制度上、最初から本国に帰国する前提で来日します。「日本で培った各種技能を本国に持ち帰る」ことが実習生の本来の役割です。

実習期間中の結婚を禁止する契約を交わしているケースもあります。そのため、実習生も前項と同様、本国帰国後に在留資格認定証明書交付申請を用いるのが一般的です。

NOTE

下記に該当する場合は、例外的に変更申請が認められる場合もあります。

  • 外国人配偶者が妊娠している
  • 勤務先及び受入機関(協同組合等)から承諾を得ている

短期滞在ビザ・観光ビザ

短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更は難しい

来日してから婚姻手続きを終え、かつ最長の90日間の短期ビザを所持していれば、変更できる可能性はあります。

婚姻が成立している、つまりあなたの戸籍謄本に配偶者として記録されたあとに、短期滞在ビザで招待しても原則は変更不可です。このケースでも在留資格認定証明書交付申請を選択する場合が多いです。

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あえてそのままにするパターンも

  1. 日本で会社員として勤務する自分
  2. 日本人の妻・夫として生活する自分

法律上、外国人は2つ以上のビザを同時に持てません。そのため、外国籍の会社員が婚姻すると必ず12を選択しますが、諸事情で別居しているなどの理由があれば、1の地位を選んだままにしておくのもひとつです。

変更のタイミングはいつでもOK

外国人配偶者の状況に変化がなければ、変更申請はいつ行っても構いません。会社員なら勤めている間、留学生なら学生の身分である間は、好きな時期に申請できます。

変更申請が必須のパターン

在籍している会社・学校を辞める場合

婚姻にともなって会社を退職する、もしくは学校を退学/卒業する場合は、変更申請が必須になります。

仮に期限が残っていたとしても、これまで所持していたビザ・在留資格では滞在できなくなります。すみやかに配偶者ビザへ変更しましょう。

在留資格変更許可申請のデメリット

良いことが多いように思える配偶者ビザの変更申請ですが、デメリットもあります。ずばり離婚したときです。

在留資格該当性とは?

聞き慣れない言葉ですが、意味はそのままで「外国人の状況と現在所持している在留資格が一致しているかどうか」です。

離婚すると該当性が失われる

配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)は、日本人と婚姻状態にあることが条件です。離婚した外国人にとってはふさわしくない、つまり在留資格該当性がないと判断されます。

入管局

あなたはもう配偶者ビザでは日本に滞在できませんよ

離婚した場合の手続きは?

  1. 出国準備ののち母国へ帰国する
  2. ほかの在留資格へ変更する

配偶者ビザを保有する外国人が離婚した場合、取るべき手段は主にふたつです。1はシンプルですが、2は少々やっかいです。

配偶者ビザからの変更申請

配偶者ビザから他のビザへの変更

元配偶者さんが引き続き日本で生活するには、正当な理由がある場合を除き、6ヵ月以内にほかの在留資格へ変更しなければなりません。

  1. 就労系ビザへ切り替える
  2. 定住者ビザへ切り替える
  3. 再婚して配偶者ビザを申請

離婚後のビザは、大きく上記の3つに分けられます。

就労系ビザへの切り替え

配偶者ビザと就労ビザ

就労ビザで来日婚姻離婚した場合などが該当します。元のビザに戻るイメージです。

定住者ビザへの切り替え

配偶者ビザと定住者ビザ

下記の条件はあるものの、自分で生計を立てていくことができれば、定住者ビザが付与され得ます。

  • おおむね3年以上の婚姻期間があった
  • 実子(お子さん)を養育する必要がある
NOTE

定住者ビザのなかでも、俗に「離婚定住」と呼ばれる類型です。

再婚して配偶者ビザを申請

配偶者ビザの更新申請

ビザの期限が切れる前に誰かと再婚したケースでは、引き続き配偶者ビザでの滞在が認められる場合もあります。

厳密には、配偶者ビザを所持し続けることになるので、変更ではなく更新申請(延長申請)に該当します。ただイメージとしては、配偶者ビザAから配偶者ビザBへ変更をかけるような理解でOKです。

変更できる保証はない

紹介したどの方法も100%ではなく、内容次第では不許可になります。特に再婚後の申請は厳しく審査され、また専業主婦/主夫で離婚時点で無職の状態になっていれば、そこからのリカバーはなかなか大変です。

審査の厳しさ
就労系ビザへの切り替え
(3.0)
定住者ビザへの切り替え
(4.5)
再婚後の配偶者ビザ
(5.0)

両国での婚姻手続きが求められる

申請前に日本側と海外側で婚姻が成立していることは大前提です。事実婚では配偶者ビザへの変更が認められないので、先に結婚手続きを済ませておきます。

  • 日本側の婚姻窓口本籍地の市役所・区役所
  • 海外側の婚姻窓口日本にある大使館・領事館

どこの大使館・領事館が窓口になる?

日本にある大使館や総領事館を指す

「駐日外国公館」と表記される場合も多いですが、日本にあるその国の大使館や領事館が窓口です。

婚約者がベトナム人の場合、窓口は日本国内のベトナム大使館・領事館が担います。ベトナムにある日本大使館ではありません。

婚姻の成立とは具体的に何?

外国の役所が発行する結婚証明書

相手国の役所から結婚証明書(Marriage certificate)が発行されれば、婚姻成立と判断してOKです。

申請時には日本側の戸籍謄本だけでなく、海外側の結婚証明書も求められます。この証明書を提出することで、配偶者の母国でも婚姻状態にあることが立証できます。

結婚証明書が発行されないケース

中国やアメリカ、ロシアなどの一部国・地域では、婚姻証明書が発行されない場合もあります。このようなケースでは、日本側の結婚証明(戸籍謄本)のみで変更申請を行います。

同居も事実上の絶対条件

同居は変更申請の条件のひとつ

法律で明記されていませんが、配偶者ビザへの変更が認められた場合は同居が原則です。

変更申請の時点で同居しておく必要はありませんが、許可後は同居を推奨します。別居状態でもビザは認められ得ますが、理由次第では不許可になります。週末婚などを採用する家庭も増えつつありますが、結婚ビザ申請においては不利に扱われます。

京都地裁平成27年11月6日判決

おわりに

配偶者ビザ・結婚ビザの在留資格変更許可申請について解説しました。なお、日本に暮らす永住者と外国籍の方が結婚した場合は、在留資格「永住者の配偶者等」を検討します。内容は「日本人の配偶者等」とほぼ同じです。

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