- 更新申請は比較的許可になりやすい
- 期限日の3ヵ月前から申請可能
- 再婚後の更新申請は要注意
このページでは、配偶者ビザ・結婚ビザ申請のひとつである在留期間更新許可申請(延長申請)について解説しています。
この記事の目次
在留期間更新許可申請とは
『在留できる期間の更新を許可してもらうための申請』という意味です。一般には更新申請や延長申請と略されます。
配偶者ビザを継続させるなら更新申請
- 在留資格認定申請
- 在留資格変更申請
- 在留期間更新申請
結婚ビザ・配偶者ビザの申請には上記3つの方法があります。現時点であなたと外国人配偶者が日本国内に居住しており、かつ配偶者ビザを継続させる意思があれば、3の更新申請を行います。
もっと具体的に
すでに配偶者が在留資格「日本人の配偶者等」を保有しており、在留資格の期間だけを延長したい場合は更新申請一択になります。
正式名称がややこしい
『在留資格更新許可申請』ではありません。正式な名称は『在留期間更新許可申請』です。
ささいなミスなので間違えて記載しても不利にはなりません。ただ、せっかくなら正しい名称で書類を作成したいですね。
在留期間更新許可申請の流れ
更新申請から在留カードの切り替えまでを時系列で表記すると以下のとおりです。
在留カードの受領で手続き完了
配偶者ビザの延長が認められると、新しい在留カードが交付されます。
更新申請の難易度
日本人配偶者
配偶者ビザの更新/延長は難しいですか?🤔
配偶者ビザに限った話ではありませんが、前回の申請で許可が出ている以上、在留期間更新許可申請は比較的緩やかに審査されます。ご夫婦の状況に変化がなければ、だいたいのケースで許可が下りると考えてOKです。
更新申請時の注意事項
- 転職等で大幅に世帯収入が下がった
- 長期間の海外渡航・別居期間があった
申請の際に問題になるのは、この2つが多くを占めます。
世帯収入の変化
転職などで世帯収入が著しく減少した場合は、口座残高証明書のほか、親族からの援助する旨の誓約書を添付できればベターです。
収入が減ったとはいえ、家計をまかなえる程度の給与であれば特段問題はありません。ただし、場合によっては、3年や5年で付与されるはずの在留期間が1年に短縮されることも考えられます。
海外渡航や別居期間の有無
数週間を超える別居期間があれば、理由を説明した書類の添付を推奨します。
入管局の審査官は、別居をマイナス要素として捉える傾向にあります。単身赴任などで住まいが別になった際は、なぜ夫婦が別居状態になっているのかを書面に記載しておきましょう。それだけで親切な書類になります。
- 別居状態が生じた原因
- 別居中に対面などの交流はあるか
- 夫婦の生活費はどちらが負担しているか,など
配偶者ビザの更新時期
手もとの在留カードに印字されている期限(満了日)の3ヵ月前から配偶者ビザの更新・延長が可能になります。
配偶者ビザには1年有効・3年有効・5年有効のものがあり、婚姻の安定性に応じて付与される期間が増えていきます。1年3年5年と段階的に切り替わるイメージです。
6ヵ月の配偶者ビザは無視できる
上記3種類のほかに、6ヵ月有効のビザもありますが、離婚手続き中などの特殊な状況下でのみ交付されるのが原則です。そのため、通常の申請で期間が1年を下回る配偶者ビザは交付されません。
更新期限が直近の場合
日本人配偶者
気づいたら期限がギリギリでした、間に合いますか?😰
現行の法律上、直前に書類を提出し、審査中に在留期限を迎えても、それをもってオーバーステイにはなりません。受理されれば最長2ヵ月間の猶予*が与えられます。
*出入国管理及び難民認定法20条6項
期限前日でも原則は問題なし
在留期間更新許可申請の標準的な審査期間は2週間から1ヵ月です。現在の配偶者ビザの期限内に申請さえできれば、ほとんどの方は問題なく審査が進んでいきます。ただし、トラブル発生時の対応を踏まえて、早めに申請を済ませておきましょう。
期限が経過してしまった場合は?
1日でも期限を過ぎると、残念ながらオーバーステイ(不法残留)になります。
配偶者が法律違反の状態になるので、すみやかに近くの入管局へ向かってください。理由次第では特別受理等でなんとかなる場合があります。
永住権の申請中でも更新は必須
永住権(永住ビザ)を申請している方は注意が必要です。永住ビザを申請していても、配偶者ビザは自動的に更新されません。審査中に配偶者ビザの期限を迎えるようであれば、期限内に更新申請を行ってください。
再婚した場合の配偶者ビザ申請
日本人配偶者
あなたと結婚する前から、外国人配偶者がすでに在留資格「日本人の配偶者等」を保有していた場合も、更新申請で書類を整えます。変更申請ではありません。
再婚ビザは存在しない
現在、日本には約30種類の在留資格がありますが、「再婚ビザ」に相当するものはありません。したがって、たとえ日本側の配偶者が変わったとしても、同じ在留資格を延長することになります。
再婚した際の注意点
更新申請は許可が下りやすいと解説してきましたが、再婚後の配偶者ビザ申請はとても厳しく審査されます。
最初に配偶者ビザを取得したときよりもハードルは上がります。手続き上は更新ですが、改めてふたりの馴れ初めからチェックされます。
求められる書類
再婚案件では、通常の提出書類に加えて、初回申請時に求められる書類(質問書など)も添付するべきです。また、再婚に至るまでの経緯を記載した理由書も併せて提出しておきましょう。
理由書の記載項目
- 前配偶者と離婚に至った原因や経緯
- 再婚に至った理由・婚姻の真実性
配偶者ビザの再婚案件では、これらの項目が許可・不許可を左右する重要な要素になります。入管局、ひいては審査官に納得してもらえるよう、証拠になり得る資料を示しながら文面を組み立てていくのがポイントです。
メッセージアプリの履歴や、双方が写った写真などが資料に該当します。
申請のおおまかなイメージ
あくまでも更新/延長ですが「日本人の配偶者等A」から新たに「日本人の配偶者等B」へ変更するような感覚です。
申請時期は同じく3ヵ月前から
前述のとおり、更新申請は3ヵ月前からの受付になります。そのため、再婚時点で10ヵ月の期限が残っていれば、7ヵ月待ってから申請に臨みます。追加資料の提出通知を受けることも多々あるので、早めの対応が肝心です。
無理に更新する必要はない
配偶者ビザの残存期間中に離婚再婚更新申請の手順を踏むと、どうしても駆け足になりがちで、交際期間の観点からも不利になりやすいです。
入管局
一時帰国も視野に入れる
再婚手続きや申請準備に時間がかかるケースもあります。無理に更新申請をかけずに、一度帰国してもらうのも有効な方法です。
認定申請で改めて呼び寄せる
しばらくの間は離れ離れになりますが、帰国後に認定申請(在留資格認定証明書交付申請)を用いれば配偶者ビザを申請できます。新たにビザを取得し来日する流れになるので、ご夫婦の状況にあわせて判断してください。
おわりに
結婚ビザ・配偶者ビザの在留期間更新許可申請について解説しました。ちなみに、婚姻関係が破綻し夫婦の実態が失われても、離婚調停等が継続していれば在留は認められ得るので焦る必要はありません。頭の片隅に入れておいてください。