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【配偶者ビザ】フィリピンパブで出会った夫婦は審査で不利になる?

【配偶者ビザ】フィリピンパブで出会った夫婦は審査で不利になる?

この記事のサマリー
  • パブでの出会いは不利になりやすい
  • 渡航の回数や親族からの承諾がポイント
  • 変更申請ではなく認定申請でビザを取得

このページでは、フィリピンパブなどの水商売のお店で出会ったご夫婦の配偶者ビザ(在留資格:日本人の配偶者等)申請について解説しています。

興行ビザを持つ外国人は不利になりやすい

在留カードの在留資格欄

在留カードの在留資格欄に興行と印字されているケースを想定しています。お相手が仕事を終え帰国している場合は思い出してもらってください💁‍♀️

エンターテイナータレントダンサーとしてフィリピンパブに勤務していれば、ほぼほぼ「興行ビザ」で滞在していると判断してOKです。おそらく、この記事を見ている方のほとんどが該当すると思います。そして、興行ビザで滞在歴がある外国人は実務上、一般的な配偶者ビザ申請に比べて厳しく審査される傾向にあります。

偽装結婚を強く疑われる

配偶者ビザの取得が難しいといわれる一番の理由が「偽装結婚の疑い」です。あなたたちご夫婦がというより、水商売に従事する女性が偽装結婚に加担していた事例が多くあり、過去の統計上、厳しく審査しなければいけないという背景があります。実際の申請では、ある種の先入観を持たれると考えておきましょう。

別居しながらホステス業務に従事

そのほか、配偶者ビザを取得したものの、夫婦らしい生活をせずに、外国人妻がホステス業務を続ける事例も問題になっていますね。

ブローカーが身分を詐称するケース

海外から日本に渡航する際、経歴を偽って入国しているパターンもまれにあります。また、過去に興行ビザで日本を訪れた際、親戚などの身分を借りて偽造パスポート等を作成し、別人として生活していた場合は、配偶者ビザの取得が極めて困難になります。申請してから発覚しても遅いので、念のためお相手に確認しておきましょう。

入管局への事情説明が必要になる

申請書類間に相違が生じる

興行ビザの申請時に提出した書類と、今回の配偶者ビザ申請で提出する書類に齟齬が生じるので、事情を説明した補足文書の添付が必要になります。

以前の申請データや個人情報は入管側に残っているので、何の説明もなく申請すると不許可になる可能性が非常に高くなります。経歴の詐称に至った顛末書や、本人の反省文などでリカバリーを図るイメージですが、それでも必ず許可が下りるとは限りません。

外国人配偶者の加担度合いも重要

配偶者も率先して関与していたのか、それとも手続き上必要なだけで違法ではないと口車に乗せられていたのかでは事情が異なります。本人が違法であると自覚していれば、審査官の印象も悪くなると考えられます。健全な業者さんがほとんどですが、悪質なブローカーに巻き込まれる方も少なからず存在するのが現状です。

年齢差を指摘される

夫婦の年齢差

フィリピンパブの従業員は若い女性が多いので、どうしても年歳差を指摘されやすくなります。本当に恋愛感情があるのかをシビアに見られます。

20歳以上の差があると実務上、配偶者ビザの取得難易度は上がるとされています。加えて、フィリピンパブに限らず、水商売系のお店は疑似恋愛の要素が入るため、入管局の審査官も真剣な交際か判断に悩む点も、不利になる理由とされています。

【結婚ビザ】年齢差があるケースの対応方法:申請資料を充実させる配偶者ビザ申請で年齢差が20歳以上あると不利?対応方法を解説

許可が下りた夫婦の国際結婚までの流れ

STEP.1
フィリピンパブで出会う(初対面)

👉個人連絡先を交換・プライベートで交流

STEP.2
彼女が母国へ帰国する

👉日本滞在期間は3~6ヵ月がほとんどです

STEP.3
あなたが相手の母国へ渡航

👉複数回渡航し家族や親戚と対面

STEP.4
彼女が短期ビザ等で訪日(最長90日)

👉自分の家族や友人との対面・挨拶

STEP.5
日本または海外で結婚手続き💒

👉婚姻の成立後に配偶者ビザ申請へ移行

上の事例は国際結婚の理想的な流れといえます。彼女の帰国後、あなたが休暇を利用して渡航し、相手の実家や生まれ故郷を訪れることは審査でプラスになります。その上、お相手も短期滞在ビザで来日し、結婚後の同棲生活を一通り経験してから配偶者ビザを申請するケースでは、入管側も偽装結婚を疑うことはまずないと考えられます。

パブで知り合ってから国際結婚までの流れ

ざっくりまとめると、知り合ってから国際結婚までの間、一定の距離感で長く交際を続けるほど配偶者ビザを取得しやすくなります。

参考 フィリピン人の短期滞在ビザ申請当事務所の姉妹サイトです💁‍♀️

フィリピンパブとホステス業務

びっくりする方もいるかもしれませんが、興行ビザで来日している外国人は、店内での接客や接待が禁止されています。エンターテイナーやタレントとしてフィリピンパブに従事する女性は本来、特定のお客さんと談笑してはいけないルールになっています。

ホステス業務と興行ビザ

ダンスや歌唱などのショーは興行ビザに含まれますが、ホステス業務は対象外なので、不法就労(資格外活動)が成立し得ます。

外国人パブにおける接待の判断基準

業務の内容接待にならない行為接待になる行為
談笑・お酌飲食物の提供に付随する世間話特定少数のお客と継続して談笑
ショー対象が不特定多数のお客対象が特定少数のお客
カラオケ不特定のお客の歌に拍手特定少数のお客の歌に手拍子
その他儀礼上の握手や酔客の介抱「あーん」をして食べさせる

上記のような目安となる基準は警察庁の資料で公表されていますが、このあたりの線引きはかなり微妙です。実際は、興行ビザの外国人に対して、接待業務(ホステスに近い業務)を行わせているフィリピンパブも一定数存在し、定期的に摘発されています。なあなあになっている部分もありますが、事前知識として知っておいてください。

参考風営法解釈運用基準の第4

ビザ申請時の伝え方に注意しよう

問題のあるフィリピンパブを取り締まるのは警察の役目なので一旦置いておき、配偶者ビザの話に戻します。ビザ申請では「理由書」や「質問書」などの書類に国際結婚の経緯を記載するため、どのように知り合ったのかを入管局の審査官へ伝えなければなりません。紛らわしい表現や言葉は避けてください。

📌書き出しの例文・見本

私は、*年*月に、食事をとるため立ち寄った*県*市内にある飲食店「ABCパブ」で、エンターテイナーとして勤務する妻と初めて出会いました。


お店側が接待にならない範囲で営業しているにもかかわらず、あなたが「接客中の妻と出会った」と記述すれば、自分で不利な立場に身を置くことになります。また、嘘を書くのは論外として、店名に関してはなるべく申請書類に記載しておくことをおすすめします。お店の場所は市や区、郡まで明記しておけば十分です。

配偶者ビザ申請を有利に進めるコツ

2人の間に婚姻意思があることを立証するために、あらゆる角度から親密度をアピールしていきましょう。この章では3つのポイントを説明しています。

お店の外で撮影した写真を準備する

デート時のスナップ写真

パブの店内で撮影した写真は極力使用しないほうがいいかもしれません。なるべく外で撮ったデート時の写真を提出してください。

配偶者ビザ申請では、夫婦が写った「スナップ写真」を提出しなければなりません。店内での撮影写真をおすすめしない理由は、まず暗くて顔が判別しにくい点が挙げられます。そのほか、酔っていて普段とテンションが異なる写真は、審査官が良くない印象を持つ原因になります。当事務所でもきわどい写真は外すようにしています💁‍♀️

写真選択のポイント

仕事中の彼女と、プライベートの彼女でメリハリをつけて選んでください。自然な日常を切り取るイメージです。また、偽装結婚の夫婦は周囲に隠そうとする傾向があるため、大人数で写った写真もあれば数枚添付しておきましょう。

集合写真の重要性

仲良さげな集合写真(友人たちとのドライブなど)があれば、交際を周りに報告している証拠として利用できますね🙆‍♀️

そのほか提出すべき資料は?

送金明細書の見本

交際期間中、本国の彼女にいくらか仕送りしていた方は、送金明細書のコピー添付をおすすめします。

フィリピンパブでの勤務を終え帰国した彼女に、定期的に送金している方もお見受けするので、そういう場合は送金明細を添付しておけば、2人の関係性をアピールできます。あなたが彼女に送金した事実や日付等が分かれば、資料として使用可能です。

Remittance Advice,Details of International Money Transfer Transactionsなど

両家親族からの承諾をもらっておく

家族から結婚を認められているということは、真剣に交際してきた証明になります。外国人パブでの出会いに限った話ではありませんが、応援されている場合は積極的に理由書へ記述していきましょう。両家それぞれについて、いつどこで承諾を得たのかが把握できるような書き方がポイントといえます。


質問書の親族への周知状況欄

配偶者ビザ申請で提出する質問書には、親族が結婚を「知っているかどうか」までのチェック欄しかないので、こちら側から歓迎されている旨を伝えるのがセオリーです。婚約の報告以外に、交際中に挨拶をした際のエピソードも記載できればベターですね。

渡航や対面の回数を増やす

繰り返しますが、興行ビザ(エンターテイナーやタレント)は滞在期間が3ヵ月や6ヵ月であることがほとんどなので、フィリピンパブでの勤務を終えたあと、どのように関係性を構築したのかが審査で重要になります。一般的な夫婦に比べて交際期間が短くなるため、2人の時間や渡航回数を多くすれば、入管側も安心して審査に臨めます。

配偶者を短期滞在ビザで呼ぶ

仕事の都合などで海外へ渡航できないケースでは、短期滞在ビザで彼女を日本に招待することも可能です。滞在期間は最長90日です。

ビザの申請方法は認定申請が原則

配偶者ビザの取得方法には、認定申請(海外からの呼び寄せ)と変更申請(既存のビザから直接切り替え)があります。フィリピンパブでタレントやダンサーとして活動している外国人との国際結婚においては、一度本国へ帰国してもらったのち、改めて認定申請を用いてビザを取得するのが原則とされています。

興行ビザから配偶者ビザへの変更

たとえ日本滞在中に双方の婚姻意思があったとしても、契約上の兼ね合いから、変更ではなく認定申請を選んだほうがスムーズです。

正式名称在留資格認定証明書交付申請


フィリピンパブで知り合ったご夫婦の配偶者ビザ申請について解説しました。ご自身で申請書類を作成する方へのアドバイスとして、「パブ(水商売)で知り合ってはいますが…」などの変にへりくだった記述は不要です。何も悪いことはしていないので、堂々とありのままを書類にしたためてください🙆‍♀️

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