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配偶者ビザのメリットとデメリット:同居要件や離婚について

配偶者ビザ(結婚ビザ)のメリットとデメリット:同居要件や離婚について

この記事のサマリー
  • 就労制限がなく永住権も取得しやすい
  • 離婚すると配偶者ビザでは在留できない
  • 婚姻期間中は同居が前提になる

このページでは、これから申請する方へ向けて、配偶者ビザ・結婚ビザ申請のメリットデメリットをそれぞれ紹介しています。

配偶者ビザ・結婚ビザのメリット

  • 外国籍なら誰でも申請できる
  • 就労に関して制限がない
  • 永住権取得のハードルが下がる

在留資格「日本人の配偶者等」を申請・取得するメリットは、主に上記の3つです。順番に見ていきましょう。なお、分かりやすく説明するため、この記事では「ビザ」と「在留資格」を同じものとして扱っています。

外国籍であれば誰でも申請できる

日本人の妻または夫として登録されている

日本国籍者の妻または夫の身分を有する外国人であれば原則、誰でも結婚ビザを申請できます。

国籍や宗教に関係なく、夫婦として日本で生活する意思があれば、すべての外国人が合法的に在留可能です。ただし、全員に在留が認められるわけではなく、審査を経てビザを付与されることが条件になります。

結婚ビザを申請できる根拠は?

結婚ビザ(配偶者ビザ)の根拠となる出入国管理及び難民認定法には、以下のいずれかに該当すれば「日本人の配偶者等」在留資格が申請できると定められています。

  • 日本人の配偶者これに該当
  • 特別養子
  • 日本人の子として出生した者
NOTE

養子なども含まれることから、正式名称を「日本人の配偶者」と表記します。

日本人の子として出生した者とは?

日本国籍を離脱し、アメリカ国籍を取得した元日本人などが該当します。こういった方が再び日本で生活する際も、在留資格「日本人の配偶者等」を申請できます。

配偶者ビザには就労制限がない

種類就労制限
配偶者ビザなし(どんな仕事にも就ける)
就労ビザあらかじめ決められた職種内でのみ就労可能
留学ビザ原則週28時間以内でのみ就労可能

結婚ビザ(配偶者ビザ)を取得した外国人は、就労活動の範囲に制限がなくなります。日本国籍者と同じように、自由に仕事を探し勤務でき、また結婚ビザのまま起業や会社を経営することも可能です。

家計の状況に合わせて勤務できる

  • 週3日程度のシフトでゆるく働く
  • 家計を支えるためフルタイムで勤務
  • スキルやキャリアを活かして正社員を目指す

結婚ビザを保有していれば、外国人配偶者の希望やご家庭の事情に応じて、勤務時間や職種を選択できます。一方で、就労ビザの場合は、申請人(外国人配偶者)側の都合で出勤日数等を調整することは困難です。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」,「技能」,「介護」など

結婚ビザ申請と扶養について

配偶者ビザはどちらが扶養してもよい

「外国人配偶者が日本人配偶者の扶養に入る」といったルールはありません。その反対もOKです。

日本人配偶者が専業主婦/主夫として家庭を支え、外国人配偶者が生計を立てるなど、多種多様なライフスタイルが認められます。なお、結婚ビザ(配偶者ビザ)申請では、年収で250万円程度が審査のボーダーになると考えられます。

永住ビザ申請の要件が緩和される

配偶者ビザと永住ビザ

他のビザに比べて、永住権が取得しやすくなっている点も、結婚ビザのメリットといえます。

就労ビザで在留している外国人は、永住ビザの審査で原則10年以上の居住実績が求められます。一方で、結婚ビザ(配偶者ビザ)の場合は、3年の婚姻期間があれば永住ビザを申請できます。

永住権をもっと詳しく知る

  • 実体を伴った婚姻生活が3年以上継続している
  • 引き続き1年以上日本国内に在留している
  • 3年もしくは5年の在留期間で滞在している

在留資格「日本人の配偶者等」を所持し、かつ上記のすべてを満たしていれば、永住申請が可能になります。既に海外で2年の婚姻期間があれば、来日後1年で永住権を取得できる場合もあり、大幅に要件が緩和されています💁‍♀️

配偶者ビザ・結婚ビザのデメリット

  • 離婚すると配偶者ビザの該当性が失われる
  • 死別すると配偶者ビザの該当性が失われる
  • 配偶者ビザの延長・更新は同居が前提

メリットが多い結婚ビザですが、一方でデメリットも存在します。基本的に、離別すると結婚ビザからほかのビザへ変更しなければなりません。

離婚すると在留資格の該当性を失う

離婚した場合、その外国人は配偶者ビザに当てはまらなくなってしまうので、引き続き日本に滞在することが難しくなります。仮に有効期限が残っていたとしても、配偶者がいないのに「配偶者ビザ」を保有していると矛盾が生じるということですね。

離婚後の手続きは主に2つ

  1. 出国準備を経て母国へ帰国する
  2. 他の在留資格・ビザへ変更する

離婚に至ると、外国人配偶者は上記のどちらかを選択することになります。日本に滞在し続けるには2を検討しますが、許可がもらえる保証はありません。多くのケースで離婚定住と呼ばれるビザを申請しますが、婚姻歴や収入などを改めて審査されます。

おおむね3年以上の婚姻事実があり、離婚後も自身で生計を立てられる場合

まとめると

結婚ビザ(配偶者ビザ)は最初に取得して終わりではなく、婚姻が実質的に継続している間のみ有効に扱われます。

あなた以外と再婚した場合は?

再婚した場合の配偶者ビザの取り扱い

離婚後に別の日本人と再婚した場合は、そのまま配偶者ビザを更新・延長できる可能性があります。

配偶者ビザの期限が切れる前に、日本国内でほかの日本国籍者と婚姻を成立させたケースが該当します。更新申請(在留期間更新許可申請)を行うことになりますが、配偶者が変わっているため、審査はかなり厳しくなります。

死別すると在留資格の該当性を失う

配偶者ビザで死別した場合

離婚した際と同様、日本人配偶者と死別した場合も、配偶者ビザでの滞在を続けられなくなります。

永住ビザを取得していれば問題になりませんが、結婚ビザ・配偶者ビザのまま死別したケースでは、在留資格「定住者」への変更を検討します(いわゆる死別定住ビザ)。以下の要件を満たしていれば、引き続き日本での在留が認められ得ます。

  • 一定期間の婚姻関係が認められる
  • 死別後も自分で生計を立てられる
  • 一般的な社会生活を営める程度の日本語能力がある
  • 税金や年金などを納めている/納められる

配偶者ビザは同居が前提となる

配偶者ビザ・結婚ビザ申請は同居が原則

結婚ビザ(配偶者ビザ)では夫婦の同居が求められます。原則、週末婚や別居婚は認められません。

婚姻届を提出し、法的に夫婦となっても、婚姻の実体を伴わなければ結婚ビザは許可されません。そして、婚姻実体の有無は、主に同居しているかどうかで判断されます。

同居要件は審査要領に明記されている

入管局の内部資料である『入国・在留審査要領』にも、同居について以下のように明記されています。結婚ビザ・配偶者ビザの審査において、同居は許可を得るための条件になっていると考えてください。

社会通念上の夫婦の共同生活を営むといえるためには、特別な理由がない限り、同居して生活していることを要する。

別居していると必ず不許可になる?

別居中である事実のみをもって不許可にされるわけではありません。過去に「同居の有無は婚姻実体を判断する要素のひとつに過ぎない」として、週末のみの同居で配偶者ビザが認められた事例はあります。

配偶者ビザ・結婚ビザ申請では同居を推奨する

ただし、まれなケースといえます。スムーズに審査を進めるためにも、極力同居を推奨します。

京都地裁平成27年11月6日判決

おわりに

結婚ビザ・配偶者ビザ申請におけるメリットとデメリットについて解説しました。偽装結婚は定期的にニュースになりますが、就労制限がなくどんな仕事にも就ける点、原則は誰でも申請できる点が、偽装結婚の減らない理由とされています。

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