- 申請書は日本人配偶者が作成してもOK
- ビザ申請で最も重要な書類の1つ
- 質問書との整合性を意識しよう
このページでは、配偶者ビザ・結婚ビザ申請における、在留資格変更許可申請書の書き方・記入例について解説しています。
この記事の目次
配偶者ビザの在留資格変更許可申請書とは
在留資格の変更許可を受けるために提出する申請書を指し、在留資格「日本人の配偶者等」の審査で必ず求められる書類です(全3ページ)。
在留資格変更許可申請書には、結婚ビザ(配偶者ビザ)の審査で不可欠となる情報が網羅されています。併せて提出する質問書と重複する箇所があるので、書類間の整合性を意識しながら作成するのがコツといえます。
最新の書式は法務省Webサイトからダウンロードできます。
結婚ビザの種類 | 書類優先度 |
---|---|
在留資格認定申請 | 不要🙅♀️ |
在留資格変更申請 | 必須🙆♀️ |
在留期間更新申請 | 不要🙅♀️ |
作成に取り掛かる前の注意点
作成に入る前に、申請書の書式と証明写真についておさらいしておきましょう。
1.変更申請書には旧書式がある
上部に入国管理局長 殿と印字されている変更申請書は昔の書式です。最新のものではありません。
現行の変更申請書は法務大臣 殿へ変更されています。旧書式を配布・解説したままになっている事務所さんもあるので、使用は控えてください。
2.証明写真は4cm×3cmで裏面に氏名を表記する
変更申請書に貼り付けた写真は、許可後に交付される在留カードにも転写されます。
申請前3ヵ月以内の撮影が求められています。証明写真機(スピード写真機)で撮影するほか、コンビニのマルチコピー機からプリントできるサービスもあります。
【結婚ビザ】証明写真のサイズや決まりを知っておこう在留資格変更許可申請書の書き方:1枚目
変更申請書の1から16までを順番に説明していきます。
1.申請人の国籍・地域
申請人(外国人配偶者)の国籍を記入します。国名は正式名称でなくてもOKです。普段の会話で使用している名称*を記載してください。
*中華人民共和国中国|アメリカ合衆国アメリカ
2.申請人の生年月日
申請人(外国人配偶者)の生年月日を西暦で記入します。パスポートの顔写真ページにある「Date of Birth」の欄から転記しましょう。
3.申請人の氏名
申請人(外国人配偶者)のフルネームを記入してください。氏名はパスポート表記に合わせることを推奨します。Surname,Given nameの欄からそのまま転記すればOKです。
申請人氏名の転記方法
1から2の順番で記入してください。ミドルネームがある場合も、上から順に転記して構いません。
4.申請人の性別
該当する性別(生物学的性別)を丸で囲みます。Excel上で丸の囲み方が分からない場合は、下記のページを参照してみてください。
参考 曲線や円の図形を描画するMicrosoft Officeサポート5.申請人の出生地
外国人配偶者のパスポートにある「Place of birth」から転記してください。パスポート上で確認できない場合は、出生証明書(Birth Certificateなど)から転記します。
出生地は正確に記入しよう
1つでも記入ミスがあると書類全体の信用力が落ちます。配偶者の伝聞に頼らず、極力パスポート等から抜き取ってください。
6.配偶者の有無
在留資格「日本人の配偶者等」を申請するので、この項目は有の一択になります。
7.申請人の職業
申請人(外国人配偶者)の申請時点の職業を記入します。無職の場合は空欄のままにせず、該当なしまたは無職と記載しておきましょう。
8.本国における居住地
申請人(外国人配偶者)が来日前に居住していた住所*を記入してください。詳細な番地は求められないので、都市名(州名,省名)まで書いておけば十分です。
*申請人が母国以外の国に居住していた場合は、その国名と都市名を記入します。
9.申請人の住居地・電話番号
申請人(外国人配偶者)の現住所と各種電話番号を記載します。申請時点であなたと同居している場合は、あなたの住民票から住所を転記してください。固定電話/自宅電話がない場合は、電話番号の欄に該当なしと記入しましょう。
短期滞在ビザで来日中のケース
外国人配偶者が短期滞在ビザで来日している場合は、上記のように記入できればベターです。日本の電話番号を保有していないパターンがほとんどなので、代わりにあなた(日本人配偶者)の電話番号を記載しておきます。
住民票と異なる場所で暮らしているケース
現住所と注釈を付した上で、実際の居住地を記入すればOKです。ただし、理由なく放置している場合は、申請前に住民票の異動を済ませておきましょう。またこのケースでは、居住証明として、住民票のほかに賃貸借契約書のコピー添付が推奨されます。
10.旅券番号と有効期限日
申請人(外国人配偶者)のパスポートから旅券番号と有効期限日を転記します。有効期限日は「Date of Expiry」や「Valid Until」の欄が目印になります。
旅券の番号はどこにある?
顔写真ページの右上に印字されているケースがほとんどです。「Passport No.」以下の記号や数字をすべて書き写してください。
11.現に有する在留資格・在留期間・満了日
申請人(外国人配偶者)が所持している在留カードから各種情報を転記します。下記画像を参考にしながら記入してください。
短期滞在ビザのケースはどう書く?
現に有する在留資格の欄に短期滞在と記載し、残りの項目は外国人配偶者のパスポートに貼られている証印から転記することになります。証印とは、日本入国時に空港で貼り付けされる切手のようなシールを指します。
「在留期限」の欄が満了日に相当し、「在留期間」は証印下部の赤枠内に印字されています。
短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更は各種要件が設定されています。
12.在留カード番号
外国人配偶者が所持している在留カードの番号を記入します。短期滞在ビザで来日中の場合は、在留カードが交付されないので該当なしと記載してください。
在留カードの右上に番号が印字されています。アルファベットも含めて転記しましょう。
13.希望する在留資格・在留期間
結婚ビザを申請するので、希望する在留資格には日本人の配偶者等と記入します。日本での永住を希望する場合は、在留期間の欄へ長期(5年)と記載してください。この「5年」は、結婚ビザ(配偶者ビザ)自体の最長期間を指しています。
5年と記入するものの、ほとんどの申請では、1年間有効の配偶者ビザが交付されます。初回から5年や3年が付与されることはめったにありません。
14.変更の理由
基本的には、記入例のような文章で構いません。変更の理由には、日本国籍者との婚姻が成立したことや、在留の継続を希望している旨を記載しておきます。
「*との婚姻に伴い、この先も夫婦一緒に日本で暮らしてゆくため」など
15.犯罪を理由とする処分を受けたことの有無
海外・日本国内を問わず、外国人配偶者に何かしらの処分歴があれば、有を選択し、その詳細を記入します。処分歴があるのに無を選ぶと虚偽申請になります🙅♀️
16.在日親族及び同居者
- 日本に居住している外国人配偶者の親族
- あなた方ご夫婦と同居している人物
上記2つの情報を記入します。外国人配偶者の親族(在日親族)に関しては「父母・兄弟姉妹・子・祖父母・叔父・伯母」などの情報が求められます*。続柄の欄には、外国人配偶者から見た関係を記載してください。
*「同居している人物」は、血縁等に関係なく全員分の情報が求められます。
同居者に学生が含まれるケース
弟や妹が学校に通っている場合は、勤務先名称・通学先名称の欄へ在籍中の学校名を記載すればOKです。無職に相当する方のみ該当なしと記入します。
参考:在日親族の記入例と見本
- 外国人配偶者の兄が日本に居住している
- ご夫婦以外に同居者はいない(あなたとのみ同居中)
これらのケースを想定すると、画像のような記入例になります。在留カード番号の項目は、日本国籍者であれば該当なしと書いておきましょう。
在留資格変更許可申請書の書き方:2枚目
変更申請書の17から20までを順番に説明していきます。
間に挟まれている用紙は不要です。配偶者ビザ申請では提出しないので、破棄してください🙆♀️
17.申請人の身分又は地位
結婚ビザ(配偶者ビザ)を申請するので、日本人の配偶者を選択してください。
18.婚姻,出生又は縁組の届出先及び届出年月日
婚姻の届け出を行った役所名と日付を記入します。日本国届出先の欄は戸籍謄本を参照し、本国等届出先は戸籍謄本、もしくは外国側で発行された結婚証明書から各種情報を拾ってください。本国等届出先は日本語表記・英語表記のどちらでもOKです。
配偶者ビザ申請の戸籍謄本はどこで取得する?全部事項証明書とは?19.申請人の勤務先等
申請人(外国人配偶者)の勤務先情報を記入します。本社や本店等に在籍している場合、支店・事業所名は該当なしで構いません。所在地と電話番号は、実際の勤務先情報が求められます。A支店に在籍している方は、A支店の情報を記載しましょう。
年収額はどこから転記すればいい?
雇用されている場合は、市役所等で取得した課税証明書の給与収入欄から転記しておけばOKです。
過去に転職・休職期間があったケース、勤務し始めて間もないケースでは、リカバーが必要になることもあります。直近の給与明細書のコピーや、会社発行の給与支払見込証明書を添付し、見込年収をアピールしておくのもひとつの方法です。
短期滞在ビザで来日中の外国人は?
該当なしとだけ記載し、次の項目へ進みます。そもそも、短期滞在ビザでの就労活動は法律違反なので、勤務先があると不自然です。
20.滞在費支弁方法
項目が多いため、(1)から(3)を分割して説明します。
(1)支弁方法及び月平均支弁額
毎月の生活費に関する項目です。誰がいくら支出するかを記入しますが、ご夫婦の給与からそれぞれ支出する場合は、見本のように本人負担と身元保証人を選択し、月の支弁額を各項目へ記載してください。金額はざっくりとした目安で構いません。
生活費を記入する際の注意点
夫婦の月収を超える金額は書かないようにしましょう。申請上マイナスに扱われます。
将来的に家計が破綻すると判断され得るので、配偶者ビザの審査では不利になります。夫婦の給与でカバーできない場合は、別途身元保証人の追加を検討してください。
日本人配偶者が支弁するケース
あなた(日本人配偶者)が生活費を全額負担する場合は、身元保証人のみを選択し、月の支弁額を記入します。月収を超えない範囲に留めておきましょう。
(2)送金・携行等の別
この先の生活費として、海外から現金を持ち込むほか、海外から日本へ送金するご夫婦は、その金額を日本円で記載します。なお、この項目は配偶者ビザの審査に大きく影響しないので、少額であれば該当なしと記載してもOKです。
(3)経費支弁者:後記21と異なる場合
あなた(日本人配偶者)が夫婦の生活費を主に支弁する場合や、外国人配偶者が生計を立てる場合は、該当なしと記入してください。
追加の身元保証人を立てるケース
ご夫婦以外の追加身元保証人も生活費を支出する場合は、記入例のように整えることをおすすめします。追加保証人の年収は、市役所等で取得した課税証明書から転記すればOKです。記入例では、日本人配偶者の父親が追加保証人を担っています。
在留資格変更許可申請書の書き方:3枚目
変更申請書の21から23までを順番に説明していきます。
21.扶養者:申請人が扶養を受ける場合
項目が多いため、前半と後半に分けて解説します。
前半:(1)~(8)の解説
結婚ビザ申請の場合、扶養者は夫婦のいずれかを指すのが原則です。あなたが扶養する場合は、自身の氏名等の情報を記入していきます。4から7には該当なしと記載し、8はあなたの身分(夫か妻か)を選択すればOKです。
外国人配偶者が扶養するケース
反対に、外国人配偶者があなたを扶養するのであれば、氏名の欄へ該当なしとのみ記載します。他の項目には何も記入せずに、次の項目へ進んでください。
ご夫婦が無職に相当し、当面の間、一切の生活費を支出できないケースでは、追加身元保証人を扶養者とみなす場合があります。
後半:(9)~(11)の解説
日本人配偶者が扶養する場合は、引き続きあなたの情報を記入していきます。本社に在籍している場合、支店・事業所名は該当なしで構いません。勤務先所在地と電話番号は、実際の勤務地の情報*が求められる点に注意してください。
*A店に在籍している方は、A店の情報を記載します。
派遣社員の場合はどう記載するべき?
扶養者が派遣社員のケースでは、見本のように、派遣元と派遣先を2行で記載するよう推奨します。こうすることで、より正確な情報を配偶者ビザの審査官へ伝えられます。
年収額は課税証明書を基準にする
会社員であれば、市役所等が発行する課税証明書の給与収入欄から年収を転記しておきます。19の項目に、もう少し詳しい説明があります💁♀️
22.在日身元保証人または連絡先
在日身元保証人は、あなた(日本人配偶者)を指します。記載内容はこれまでと一部重複しますが、空欄にせず記入してください。自宅に固定電話がない場合は、電話番号の欄へ該当なしと書いておきます。
身元保証人を追加した場合の記入例
あなた以外にも身元保証人を立てた場合は、2名分の情報を記載するようおすすめします。保証人の追加は特殊な申請になるので、決まった書き方はありません。
23.代理人:法定代理人による申請の場合
通常の結婚ビザ申請(変更申請)は、外国人配偶者本人が申請するため、該当なしと記入します。つまり、外国人配偶者自身が、申請書類を出入国在留管理局まで持参することになります。もちろん、申請手続きは日本人配偶者が同伴しても構いません。
配偶者ビザの申請場所まとめ:どこの入管窓口へ提出する?申請書の作成日と申請人の署名
最後に、在留資格変更許可申請書の作成年月日と、外国人配偶者の署名を付して完成です。日付と署名は本人の自筆で記入しましょう。捺印は不要です。行政書士や弁護士さんに依頼せず、自分で申請する場合は、取次者の欄へ該当なしと記載します。
おわりに
配偶者ビザ申請における在留資格変更許可申請書を解説しました。変更申請書と質問書は許可・不許可の要になるので、記入例や見本を参考に整えてみてください。併せて弊所へのご依頼も検討いただければ幸いです🤗