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婚姻要件具備証明書の英語翻訳と公証役場の認証:宣言書の書き方も解説

婚姻要件具備証明書の英語翻訳と公証役場の手続き:宣言書の書き方も解説

この記事のサマリー
  • 翻訳の手順は国・地域によって異なる
  • 自分で翻訳(英訳)するのも認められ得る
  • 公証役場での認証には宣言書が必要

このページでは、国際結婚で使用する、婚姻要件具備証明書(独身証明書)の英訳テンプレート公証役場での認証手続き・必要書類について解説しています。

婚姻要件具備証明書の翻訳について

📌よくある事例
  1. 翻訳がそもそも不要
  2. 誰が翻訳してもOK
  3. 海外側の役所が指定する翻訳業者を利用
  4. 翻訳文に外務省(日本側)の証明が必要

海外で先に国際結婚を成立させる場合、婚姻要件具備証明書(独身証明書)の翻訳は上記の4パターンに大別できます。この記事は4に該当するケースが対象で、それ以外の方は原則、公証役場へ出向く必要はありません。順番に見ていきましょう💁‍♀️

1.翻訳が不要なケース

アポスティーユまたは公印確認

結婚登録機関(海外の役所)から、翻訳は不要と案内されたケースが該当します。この場合は、原本にアポスティーユまたは公印確認を付してください。

婚姻要件具備証明書の原本に直接、アポスティーユや公印確認(青いスタンプ)をもらう流れになります。とても単純で簡単な手続きですが、実務上、1に該当するパターンは少数派です。多くの国が、次章以降で説明する翻訳文を求めてきます。

2.翻訳者の指定がないケース

婚姻要件具備証明書の英訳者

外国語訳が必要になるものの、翻訳者は誰でもよいパターンです。ご自身で翻訳するほか、国内外の業者さんを利用しても構いません。

「とりあえず翻訳者の署名があれば受理してくれる」というイメージですね。あなたと外国人婚約者が2人で婚姻要件具備証明書を翻訳するのも認められますし、日本や海外にある翻訳会社へ依頼するのもOKというスタンスです。余談ですが、日本側の市役所・区役所や出入国在留管理局はこの2に該当します。

書類提出までの流れは?

婚姻要件具備証明書と翻訳文の提出

婚姻要件具備証明書の原本にアポスティーユを申請し、そのあと外国語訳を準備した上で、まとめて提出する、といった流れが一般的です。

翻訳証明を求められることも

翻訳者に制限はない一方で、最終確認として、大使館等による翻訳証明(認証)の添付を求めてくる国もあります。誰が翻訳してもいいけど、結局は公的機関のチェックが必須になるケースもあるということですね。

3.翻訳者を指定されるケース

翻訳者・翻訳会社の指定

結婚登録機関や日本にある外国大使館によって、あらかじめ翻訳者が決められているパターンです。婚約者側で自由に選べません。

政府の認定翻訳者(翻訳会社)を利用することになります。多くの国では、Webサイト上に認定翻訳者のリストが公開されているので、その中から個別に見積もりを取るような認識で構いません。婚姻要件具備証明書にアポスティーユなどの証明を付けてから、翻訳を依頼するケースが多い印象を受けます。

国によって手続きはさまざま

「あなたはココ」と個別に指定されるほか、翻訳と領事認証を一手に引き受けてくれる大使館・領事館も存在します。

4.外務省の認証が必要なケース

外国人婚約者からの翻訳オーダー

外国人婚約者から、翻訳(Translation)に日本側の認証(Legalization,Authentication)を付けるようオーダーがあれば、たいてい4を指します。

最も厄介で面倒なケースです。外国語訳に外務省の押印(認証)をもらうだけ、といえば簡単そうに聞こえますが、訳文をそのまま外務省へ持参・郵送しても認証はできません。事前に公証役場での認証と、法務局での認証を済ませておく必要があります。

STEP.1
具備証明書の外国語訳を準備

👉自分で翻訳または業者さんに依頼

STEP.2
公証役場にて認証手続き

👉「宣言書」と呼ばれる書類が必要(後述)

STEP.3
法務局にて認証手続き

👉公証役場での認証にさらに証明を加える

STEP.4
外務省に対して認証を依頼

👉申請時にアポスティーユか公印確認を選択

公証役場や法務局の認証が必要な理由

書類の名称文書の区別
婚姻要件具備証明書公文書役所などの公的機関が発行した文書
婚姻要件具備証明書の外国語訳私文書個人や民間企業が作成した文書

外務省で認証できる書類は「公文書」に限られ、私文書が混じった状態では受理されません。そこで「私文書に公証役場と法務局の認証を受ければ公文書と同等に扱われる」というルールを利用し、外国語訳を公文書に格上げしているわけですね。

戸籍謄本などの翻訳も同様

婚姻要件具備証明書と戸籍謄本

国際結婚の必要書類として、婚姻要件具備証明書とは別に「戸籍謄本」を要求する国もあります。

仮に、それらすべての外国語訳に外務省の認証(アポスティーユや公印確認)が求められた場合は、それぞれの訳文を公証役場等へ持ち込むことになります。

翻訳に関する問い合わせ先は?

国際結婚の問い合わせ先

海外で先に婚姻する場合は、外国人婚約者に直接調べてもらうのが一番スムーズです。日本側で収集できる情報には限界があります。

これまで4つの事例を説明しましたが、肝心の「自分たちがどのケースに該当するか」は、提出先となる結婚登録機関(海外の役所)の指示を仰ぐことになります。日本の外務省や公証役場へ質問しても「わからない😑」と回答されます。外国の法令や慣習に基づいて婚姻する以上、日本政府も正確なアドバイスができません。


最低限、上記の類型を把握した上で、4に該当するのかどうかは確認しておくよう推奨します(この先の手続きが大きく変わるため)。次の章からは、本題の「公証役場における認証」について解説していきます💁‍♀️

13に該当する方は、不要な知識になるので、次章以降は読まなくてOKです。

認証手続きの必要書類(公証役場)

📌必要書類リスト
  1. 婚姻要件具備証明書(原本)
  2. 婚姻要件具備証明書の外国語訳
  3. 宣言書/宣誓書

繰り返しますが、婚姻要件具備証明書の外国語訳に外務省の認証(アポスティーユまたは公印確認)をもらうには、まず公証役場での認証を受けなければなりません。そして公証役場での認証には、上記3つの書類が必要になります。なお、宣言書と宣誓書は、表記が異なるだけで内容は同じです。順番に見ていきましょう🙆‍♀️

※書式やデザインは各法務局で異なります。

婚姻要件具備証明書(独身証明書)の見本・サンプル

婚姻要件具備証明書の英訳サンプル

婚姻要件具備証明書の英訳サンプル・テンプレート

今回は英語訳の見本を使用します。婚姻要件具備証明書は自分で英訳してもOKですし、民間の翻訳会社に依頼しても構いません。最終的に外務省の押印(アポスティーユや公印確認)が付されるので、翻訳者は誰でもよいとする国がほとんどですね。ご自身で翻訳される場合は、1から5までの個別説明を参考にしてください。

何語で翻訳すればいい?

外国語訳は、お相手の国の「公用語」を用いて作成するのが原則です。

1.タイトル欄の英訳・見本

婚姻要件具備証明書の英訳の見本・テンプレート_その1

婚姻要件具備証明書の英訳テンプレートの原文_その1

Translation of certificate of eligibility for marriageについては、海外側の役所に「これは婚姻要件具備証明書の翻訳ですよ」と念のため伝えておくのが目的なので、記載しなくても問題ないと考えられます。発行番号の部分はCert.No.としておけばよいでしょう。

2.日本人婚約者欄の英訳・見本

婚姻要件具備証明書の英訳の見本・テンプレート_その2

婚姻要件具備証明書の英訳テンプレートの原文_その2

この項目は、翻訳者によって英語の表現が微妙に変わります(主に戸籍・本籍地や筆頭者の部分)。なお、続柄の欄は、長男ならFirst son、二女であればSecond daughter、三男ならThird sonと記載しておけばOKです🙆‍♀️

日付の書き方のコツ

日付の英語表記

August 10, 2000のように「月の英語,日にち,西暦」の順番で表記すれば、日付を勘違いされることはまずありません。

2000/8/10と書くと、国によっては「2000年10月8日」と間違えられる可能性があります。本来は相手国の慣習に合わせるのがベストですが、読み間違いのリスクを防ぐため、当サイトでは上記の書き方をおすすめしています。

本籍地のアルファベット表記

本籍地の英語表記は、下の例を参考に翻訳してください。区の表記はKita-Kuでも構いませんが、Wardを使用したほうが伝わりやすいと思われます。

  • 大阪府大阪市北区扇町2丁目1番
  • 2-1, Ogimachi, Kita-Ward, Osaka City, Osaka

3.外国人婚約者欄の英訳・見本

婚姻要件具備証明書の英訳の見本・テンプレート_その3

婚姻要件具備証明書の英訳テンプレートの原文_その3

この欄に関して、特に注意すべきポイントはありません。単語をそのまま翻訳してください。The Other Partyは「相手方」を意味する英語ですが、Fiance/Fianceeとしている英語訳も見たことがあります。生年月日は、前項で説明したとおり「月名,日にち,西暦」の順で記載しておきましょう。

4.証明書説明欄の英訳・見本

婚姻要件具備証明書の英訳の見本・テンプレート_その4

婚姻要件具備証明書の英訳テンプレートの原文_その4

最低限、オレンジのマーカーを引いている箇所(市区町村長名,日付,性別)は適宜修正が必要です。市区町村長名の英語表記は下記を参照し、性別欄は日本人婚約者の生物学的性を記述してください。あなたが女性であればsheに置き換えましょう。

日本語表記英語翻訳
愛知県豊田市長The Mayor of Toyota City, Aichi Prefecture
東京都千代田区長The Head of Chiyoda Ward, Tokyo Prefecture

法務局長の英語表記は?

発行元が「法務局(本局)」のケースと「地方法務局」のケース、それぞれについての英訳例を紹介します。下の表を参考に翻訳してください。局長さんの名前の読み方(ローマ字表記)が分からない場合は、Web検索などを用いて調べておきます。

日本語表記英語翻訳
福岡法務局長Director of the Fukuoka Legal Affairs Bureau
函館地方法務局長Chief of the Legal Affairs Bureau of Hakodate

英訳上の注意点

原本の日本語を一字一句、100%忠実に翻訳する必要はありません。ただし、自分の英語訳に自信がない、この表現で合っているか分からない場合は、翻訳会社さんへの依頼を検討したほうがいいかもしれませんね💁‍♀️

※コピペ等は自由ですが、
翻訳の内容を保証するものではありません。

On the basis of a certified copy of the above-named person’s family register issued by 市区町村長名, on 日付, this is to certify that (heまたはshe) is unmarried. This satisfies the requisite for marriage and has no impediment to marriage under the relevant laws of Japan.

5.翻訳者情報の英語表記

婚姻要件具備証明書の英訳の見本・テンプレート_その5

この項目は、婚姻要件具備証明書の原本(原文)に印字されておらず、翻訳者が自分で作る欄になります。先頭のI certify…の部分は、見本のように記述しなくても構いません。「私は原本の日本語文書を正確に英語へ翻訳しました」といった内容が端的に記載されていればOKです。

項目説明
Translator’s name翻訳者の氏名をパソコン等で入力してから印刷
Translator’s signature公証役場へ行く前(認証前)に署名しておく

次章の「宣言書」で詳しく説明しますが、あなたがパスポートを所持している場合、署名はパスポートにある書体と揃えておくよう推奨します💁‍♀️

宣言書の英語版と作り方

婚姻要件具備証明書の外国語訳(英訳)を公証役場で認証するには、原本と訳文以外に宣言書宣誓書と呼ばれる書類も必要になります。どちらも名称が違うだけで中身は同じですが、誰が翻訳したかによって記載事項は変わります。ご自身で訳す場合は1を、第三者が翻訳する場合は2を参照してください。

📌宣言書作成の類型
  1. 自分で翻訳したケース
  2. 翻訳会社へ依頼したケース

婚姻要件具備証明書の翻訳と宣言書をまとめる方法

なお、外国語訳の中に宣言書を組み込む方法(独立した宣言書を用いない方法)も厳密には存在しますが、当記事では割愛しています。

とりあえず、これから紹介する方法だけ理解しておけば問題ありません🙆‍♀️

自分で英訳した場合のテンプレート

宣言書の英語テンプレート・サンプル_自分で翻訳した場合

見本画像は上が英文、下がその日本語訳になっています。原則、宣言書は「提出国の言語・公用語で作成する」のが基本ルールなので、あくまでも外国語の記述部分がメインです。そのため、テンプレートにある日本語訳は書かなくても構いません。そもそも、非日本語圏の役所へ提出する書類なので、あまり意味がないとも言えますね。


宣言書の日本語と英語に関する記述

(1)には「日本語と英語をよく理解している」旨の記述があります。ただし、これは形式的なものと理解しておいてください。

仮に「自分は英語の読み書きが得意ではない😓」と考えていても、(1)の項目はある種の慣例になっています。実際に自分で英訳できているわけですから、おまじないのような感覚で記載してOKです。公証役場で指摘されることもありません。

第三者に依頼した場合のテンプレート

宣言書の英語テンプレート・サンプル_第三者が翻訳した場合

翻訳会社などの、自分以外の第三者へ英訳を依頼した際は、こちらのテンプレートを参考にしてください。1と同様、画像下部の日本語訳文(Japanese translationの部分)はなくても手続き可能です。最初のアンダーラインには日本人婚約者の氏名を、2つ目の下線には「英訳した人物」の氏名を記入しておきましょう。

書式の入手方法や署名の書き方

ブラウザから宣言書の書式をダウンロード

上記の見本以外にも、Webサイトで書式(WordやPDF形式)を公開している公証役場も多くあり、自由にダウンロードできます。

例を挙げると、A公証役場のWebサイトからダウンロードした宣言書の書式を、B公証役場での認証に使用することも認められます。すべての公証役場が書式を公開しているわけではないので、見当たらない場合は都市圏を中心に検索してみてください。

「市区町名」+「公証役場」で検索すると出てきます🔍

宣言書に署名する際のポイント

公証人の面前で署名する

宣言書の署名欄に関しては、必ず空欄の状態で公証役場に持参してください。公証人の目の前で記入する必要があります。

加えて、あなた(日本人婚約者)がパスポートを持っているのであれば、なるべく署名は「顔写真ページ」にあるものと同じ書体で記入しましょう。仮にパスポート側に漢字で署名していた場合は、宣言書にも漢字で署名して構いません。判別できないほど字を崩している方も、無理にブロック体で書かなくてOKです。

事前に署名しても認証自体は可能

署名済の宣言書を持参して認証を受けることも可能ですが、認証の内容が変わります。簡単にいうと、公証役場は実際に目撃していないので「公証人の面前で署名を行った」ことを証明しなくなります。この点が、今後の結婚手続きに影響する可能性もゼロではないので、当サイトは前項の方法を推奨しています💁‍♀️

公証役場での認証の流れ

婚姻要件具備証明書の原本と、これまで準備した書類(翻訳文と宣言書)を持って、最寄りの公証役場で認証手続きを行います。なお、認証手続きには原則、運転免許証などの身分証明書印鑑(認印)も必要になるので、忘れずに持参してください。

手数料はいくら?

11,500円です。日本全国どこの公証役場でも費用は同じです。

STEP.1
書類一式を窓口で提示する

👉以降は職員さんの指示に従うだけでOK

STEP.2
身分証明書を預ける

👉コピーを取られ、返却の際に印鑑を使用

STEP.3
公証人の面前で宣言書に署名

👉署名したあとは待つだけ

STEP.4
完成書類(認証済書類)の受領

👉早ければトータル20~30分で手続きが完了

公証役場と事前の打ち合わせ

飛び込みで訪問しても構いませんが、担当の公証人が不在の場合もあります。事前に電話で訪問日時をすり合わせておきましょう。

認証後に返却される書類の一覧

認証後に返却される書類一覧

無事に認証が終わると、画像のように5枚の書類が綴られて返却されます。ホッチキスで留められていますが、何があっても絶対に外さないでください。それでは、これらの書類をさくっと説明していきます🙋‍♀️

1.認証済みの宣言書

認証済みの宣言書(declaration)

綴るときの書類の順番は特に決まっていません。ただし、宣言書(Declaration)が先頭に来る場合が多いですね。翻訳を他者に依頼した方も同じように考えてください。ちなみに公証役場のスタンプは、地域によってデザインが変わります。

※翻訳会社へ依頼するとこちらが表紙になります。

認証済みの宣言書(declaration)_第三者が翻訳


2.婚姻要件具備証明書の原本

認証後の婚姻要件具備証明書

婚姻要件具備証明書の原本はそのまま返却されます。なお、次に説明する「翻訳文」を2枚目にして綴ってもOKです。公証人に順番を相談するのもひとつの方法ですね。


3.婚姻要件具備証明書の外国語訳

認証済みの婚姻要件具備証明書の英語翻訳

原則、訳文にも公証役場のスタンプは押されます。ただし、公証人は「翻訳の内容が合っているか」まではチェックしてくれません。あくまでも押印するだけ(正確性に責任を持つのはこちら側)と理解しておきましょう💁‍♀️


4.Notarial Certificate

notarial_certificate

公証役場側で作成・添付してくれる書類です。「あなたが公証人の面前で署名したことを証明する」といった内容が英語で記載されています。ちなみに、文章の配置や書式は各公証役場によって変わります。

Notarial Certificateとは

5枚目の上段を英訳し、別紙に切り離したものがNotarial Certificateという認識でOKです。


5.公証役場,法務局,外務省の証明

公証役場・法務局・外務省の証明印

東京都,神奈川県,静岡県,愛知県,大阪府

上記地域にある公証役場では、画像のように「公証役場と法務局と外務省」の証明をまとめて取得できます(いわゆるワンストップサービス)。つまり、1回訪問するだけで、その場で「公印確認」や「アポスティーユ」を取得したことになります。法務局や外務省で手続きをする手間が省けるということですね。

認証のワンストップサービス説明

一部の公証役場では、法務局の証明まで一度に取得できます。

ワンストップサービス対象外の場合

前項で紹介した都府県以外の公証役場で手続きする場合は原則、法務局と外務省それぞれに対して証明(押印)の申請をしなければなりません。ワンストップサービスの対象外地域に暮らしている人は、別の記事で申請方法を解説したので目を通してみてください。郵送を用いれば楽に申請できます💁‍♀️


電車や新幹線で公証役場へ訪問する

ただし住所がどこであっても、対象地域内の公証役場まで出向けば、ワンストップサービスを受けることができます。

住民登録の有無は関係ありません。現地の公証役場まで行けば、現住所に関係なくワンストップサービスを利用できるので、方法のひとつとして知っておいてください。

翻訳文認証の注意点

実際は私文書だけ認証される

公証役場は私文書にのみ認証を行います。公文書である「婚姻要件具備証明書の原本」に認証が付与されるわけではありません。

最後に、文書の証明の範囲について説明します。日本で取得した婚姻要件具備証明書に翻訳文を添付し、認証後に国際結婚を届け出る場合は、これまで解説した方法を採用するのが一般的です。しかし、注意したいのは、こちら側で作成した私文書に認証が付くだけで、公文書となる原本には認証が付かない点です🙅‍♀️

公証役場は公文書(役所発行の書類)を認証できない決まりになっています。

原則はそのまま提出できる

婚姻要件具備証明書の原本には認証されない

言い換えると、サブ的な意味合いの私文書だけに証明が付き、肝心の原本はそのままの状態で、海外の役所へ提出することになります。

これを回避するには、公印確認やアポスティーユを「二重」に申請しなければなりません。先に外務省で原本への認証を取得し、そのあと翻訳文・宣言書を用意して公証役場等へ持ち込む(私文書にも認証を付ける)イメージです。ただし、この手法は国際結婚で滅多に採用されず、ほとんどのご夫婦は二重申請せずに結婚できています。

公証役場でもレアケース

大阪市内の公証人曰く、二重申請のパターンは相当珍しく、問題になったという報告も近年は受けていないそうです🙆‍♀️

認証について質問したいとき

今回紹介した一般的な方法でOKなのか、あるいは原本自体にも認証(二重申請)が必要なのかについては、海外の役所へ問い合わせることになります。しかし、海外側も正確に把握していない場合があるので、個人的には一旦スタンダードな形式で書類を整え、もしダメなら二重申請に切り替える感覚でよいかと思います。

公証役場へ電話相談

認証の形式以外の質問に関しては、公証役場が相談窓口になります。公証人連合会Webサイトから電話番号を確認できます。


婚姻要件具備証明書(独身証明書)の英訳や宣言書、翻訳認証について解説しました。認証手続きは世界共通の方法がなく、提出先の指示に従うしかありません。外務省の押印なしで結婚できるケースもあるので、婚約者と協力・検討しながら臨機応変に対応していきましょう🙆‍♀️