- ワンストップサービス対象外の方向け
- 公証人押印証明は郵送で申請できる
- アポスティーユ申請書の書き方に注意
このページでは、国際結婚で必要になる「婚姻要件具備証明書の翻訳」を法務局で認証する方法(公証人押印証明)について主に解説しています。
この記事の目次
はじめに
この記事は、日本人婚約者(あなた)が婚姻要件具備証明書を既に取得し、かつ公証役場で外国語訳の認証を終えていることが前提です。具備証明書の手配や公証役場での手続きについて詳しく知りたい方は、下記の記事を参照してください。
【日本側】婚姻要件具備証明書(独身証明書)の取得方法:どこで発行される?婚姻要件具備証明書の英語翻訳と公証役場の認証:宣言書の書き方も解説認証手続きのおさらい
今回はSTEP.3以降を解説します。公証役場での認証と異なり、法務局や外務省の認証に手数料はかかりません。郵送代などの実費のみで手続きできます。ちなみに、法務局で認証を受けることを「公証人押印証明」といいます💁♀️
👉法務局などで申請&受領
👉具備証明書の翻訳文や宣言書を添付
👉郵送のみで手続きできます
👉「アポスティーユ」や「公印確認」のこと
簡単にいうと、公証役場での認証が本物であるかどうかをチェックするために公証人押印証明が必要になります。外務省でアポスティーユや公印確認を取得する前に、法務局が一旦確認し「問題ありません😉」と判子を押すようなイメージですね。
ワンストップサービスは一部地域のみ
*東京都,神奈川県,静岡県,愛知県,大阪府
これらの地域にある公証役場で認証を行う場合は、法務局や外務省での手続きを省略できます。利便性向上のため、公証役場にいながら法務局と外務省の認証を受けられる制度が導入されており、この制度をワンストップサービスといいます。つまり、同サービスを実施している上記地域内に居住している方は、この記事を読まなくてOKです。
*一部の公証役場では、法務局の認証までまとめて取得できます。
法務局と外務省で手続きが必要な人
ワンストップサービスを導入していない地域に暮らしている方は、冒頭で説明したとおり、法務局と外務省でそれぞれ手続きが必要になります。公証役場で認証したあと、認証済の書類を法務局や外務省に持参もしくは郵送しなければなりません。
対象外でもサービスを受ける方法
住民登録の有無は関係ないので、あなたが対象地域内の公証役場まで出向けば、ワンストップサービスを受けられます。
日本人婚約者(あなた)の現住所に関係なく、対象の公証役場を予約・訪問し認証を受ければ、どなたでもワンストップサービスを利用できます。急いでいる方の中には、新幹線に乗って対象地域内の公証役場まで向かう人もいますね。この方法を用いれば、後述する法務局や外務省での認証作業が省略可能です。
公証人押印証明は必須ではない
- 婚姻要件具備証明書の外国語訳は不要
- 翻訳文を含む私文書への認証は不要
別の記事でも解説していますが、海外側の結婚登録機関(役所)から、上記いずれかの案内を受けている場合、法務局の認証はそもそも不要です。あくまでも、翻訳文書に日本国の認証が必要と案内された場合にのみ、公証人押印証明の手続きが発生します。
1.外国語の翻訳文が不要なケース
海外側の結婚登録機関から「婚姻要件具備証明書は日本語の原本のみ提出すればOK😉」と案内された方が該当します。
外国語訳、つまり私文書を用意しなくて済むので、この記事で説明する法務局の認証作業や、その前段階の「公証役場での認証作業」も発生しません。公文書である婚姻要件具備証明書の原本に直接、アポスティーユや公印確認を申請してください。
文書の区別 | 意味・補足 |
---|---|
私文書 | 個人や民間企業が作成した文書:公証役場や法務局での認証が必要 |
公文書 | 役所などの公的機関が発行した文書:外務省で直接認証が可能 |
2.私文書の認証が不要なケース
海外側の結婚登録機関から「翻訳文を添付する必要はあるが、翻訳文自体に認証は不要です🙂」と案内された方が該当します。
この場合、外務省の認証(アポスティーユや公印確認)が必要なのは婚姻要件具備証明書の原本(公文書)だけなので、公証役場や法務局の認証を飛ばせます。外国語訳は自分または翻訳業者が準備したものを提出するだけでOKというわけですね。
外国語訳や認証の要否に関して、日本の役所は回答できません。海外で先に結婚する以上、海外側の役所の指示に従う必要があります。
公証人押印証明申請書の書き方
この章から実際に、法務局での認証手続きを解説していきます。まずは画像の公証人押印証明申請書を記入していきましょう。申請書は法務局Webサイトから、各都道府県のページへアクセスすればダウンロード可能です。もちろん、法務局の窓口にも備え付けられていますが、今回は楽ちんな郵送申請を取り扱います。
公証人押印証明申請書のダウンロード元が分からない場合は、都道府県名+公証人押印証明で検索してみてください。
1.送付日と申請人の情報欄
郵送での申請&返却を希望する方は、公証人押印証明申請書の日付欄に送付日(ポスト投函する日)を記入します。また自分で申請する場合は、あなた(日本人婚約者)が申請人になるので、自身の情報を記載し押印してください。
都道府県によっては、公証人押印証明申請書が横向きになっていますが、記入項目は縦横ともに同じです🙆♀️
2.書類名・公証人氏名・登簿番号など
婚姻要件具備証明書の認証を行う場合、書類名は「宣言書」を選択します。細かい説明は省きますが、この項目は公証役場での認証時に添付した「宣言書」を指定する必要があります。そのほかの公証人氏名や作成年月日、登簿番号については、手元にある認証済書類を参照し、画像のように転記してください。
申請書の書類名の項目に「宣言書」がない場合は、その他を選択し「宣言書」と記入してください。
公証人押印証明の必要書類
- 認証済の婚姻要件具備証明書一式
- 記入済の公証人押印証明申請書
- 返信用封筒(レターパック)
上記の書類をまとめて法務局へ送付します。身分証のコピーは不要です。なお、送付用と返信用の封筒は何でも構いませんが、当サイトではレターパックライトをおすすめしています。切手の用意をしなくて済むので楽ですね💁♀️
レターパックライトは最寄りの郵便局で購入できます。コンビニでも販売していますが、取り扱いのない店舗も一部あります。
ホッチキスは絶対に外さない
公証役場での認証時に付けられたホッチキス(ステープラー)は外さないようにしましょう。綴られた書類をバラバラにすると受理されなくなります。返却された書類の一式をそのまま法務局へ送付すればOKです。
送付先となる法務局はどこ?
各都道府県にある本局と呼ばれる法務局へ郵送します。こちらのページに列挙されている法務局が各地域の本局です。支局や出張所、サービスセンターでは原則、公証人押印証明を取り扱っていないので避けてください。
法務局と公証役場の管轄に注意
送付先となる法務局の都道府県(管轄)は、公証役場で認証を受けた際の都道府県と一致していなければなりません。
例を挙げると、A県内の公証役場で認証した婚姻要件具備証明書の一式は、B県の法務局で認証できません。A県の法務局が管轄します。とりあえず、公証役場と法務局の認証で都道府県をまたいではいけない、という点だけ知っておいてください。
送付用・返信用封筒の書き方
送付時に使用する封筒(レターパック)は、上記画像のように作成してください。お届け先の所在地や電話番号は、各都道府県の法務局Webサイトから転記しましょう。なお品名の欄には「書類(公証人押印証明申請書)」と記入しておけばOKです。
返信用封筒(レターパック)は、日本人婚約者の郵便番号,住所,氏名,電話番号を記入すれば完成です。半分に折り曲げて、郵送用のレターパックに封入してください。
準備した書類や返信用封筒を、画像のようにすべて同封すれば、あとはポストへ投函するだけです。約1週間以内に、公証人押印証明が付された「婚姻要件具備証明書の一式」が返送されます。これをもって、法務局の認証手続きは完了です🙆♀️
※以下のような書類が具備証に追加されます。
法務局での認証を終えたあと
公証人押印証明を済ませたあとは、引き続き外務省での認証(アポスティーユや公印確認)に進みます。外務省の認証に関しては既に別の記事で解説していますが、ここでは「アポスティーユ申請書」の書き方について補足します。
書類は公証人認証書の扱いになる
法務局で認証済の婚姻要件具備証明書にアポスティーユを付ける場合は、2の公証人認証書を選択しなければなりません。1を選ぶのは、婚姻要件具備証明書の原本にアポスティーユを取得するケースだけなので注意しましょう。
発行者肩書と発行者氏名の選択
認証済の婚姻要件具備証明書にアポスティーユを付す場合、発行者肩書や発行者氏名の欄は公証人か法務局長の二択になります。本来は、海外側の役所へどちらにすべきかを質問するのがベストですが、実務上はどっちでも大差ないとされています。発行者肩書の記載が原因で再取得になる可能性がほとんどないからです。
認証の種類 | 主な内容 |
---|---|
公証役場 | 公証人の面前で署名したことの証明 |
法務局 | 公証人の捺印や署名が本物であることの証明 |
なお、認証の元々の役割は上記の通りで、あくまでも法務局の認証はサブ的な(念押し的な)意味合いです。そのため、アメリカなどの一部の国では、発行者肩書以降の項目はすべて公証人(公証役場)を選択するよう案内されています。
発行者肩書を公証人にする場合
発行者の肩書きや発行者氏名などを「公証人」に揃える場合は、上の画像を参考に、手元の認証済書類(公証人認証書)から書き写してください。肩書きは「**(地方)法務局所属 公証人」とそのまま抜き出せばOKです。発行年月日については、実際に認証された日付を記入しましょう。
発行者肩書を法務局長にする場合
発行者を法務局長にしたいときは、手元の「公証人押印証明」を見ながら各項目を転記していけばOKです。肩書きの欄は「**(地方)法務局長」とだけ記入してください。公証人押印証明に割り当てた1から3が目印です🙆♀️
返信用封筒の準備や郵送手続きは、別記事で解説した内容と同じです。同封の上、外務省へ送付してください。
法務局での認証手続き(公証人押印証明)をテーマに解説しました。婚姻要件具備証明書の認証は「原本」か「原本+外国語訳」かで大きく変わります。公証役場,法務局,外務省と順番に証明をもらうのは面倒ですが、郵送申請を駆使してサクッと済ませてください💁♀️