- 内緒にしたままの申請は不利になる
- 申請理由書や補足説明書を作成しよう
- 親族が知らなくても許可になる場合はある
このページでは、国際結婚したことを家族が知らない(親族に教えていない)場合の配偶者ビザ申請について解説しています。
この記事の目次
家族が国際結婚を知らないと不利になる

偽装結婚の可能性が払拭できないため、入管側も慎重な審査になります。
結婚の意思が固まったあとは、両家の親族に報告をするのが一般的な流れとされます。報告をしないということは、何か後ろめたい事情がある、つまり偽装婚ではないかと審査官が疑うため*、家族に内緒で申請するのは不利になるといわれています。
*戸籍の売買(ブローカーの介在)などについて調査されます。
反対されているかは審査に関係ない
- 反対されるから国際結婚したことを報告しない
- 結婚を報告すると家族から反対された
上記の間では大きな隔たりがあり、結婚ビザ(配偶者ビザ)の審査では2のほうが良いとされます。実務上、親族に反対されても審査で不利になることはありません。ただし、結婚を報告しないことは不利になり得る、と理解してください。
入管局は家族に電話確認をする?

ごくまれに審査の一環として、入管局から日本人配偶者の親族へ電話連絡が入ることもあります。通常の結婚ビザ申請では実施されません。
審査官があなた(日本人配偶者)の家族に電話をかける・かけないの基準は、個別に検討されます。親族は誰も結婚を把握していないと申請書類に記入した場合でも、直接話を聞く必要があると判断されれば、家族に電話が入ります。
親族情報は結婚ビザ申請に必須

結婚ビザの申請では必ず、親や兄弟姉妹の氏名や住所、電話番号等の情報が求められます。
家族にバレるからといって、親族情報を空欄にして申請するのはNGです。消息不明などの理由がない限り、空白で提出しても、あとで追加の情報を要求されます。また嘘の連絡先を書いてそれが発覚した場合、結婚ビザは交付されません。
電話調査の可能性は極めて低いですが、仮に電話が入ったとしても、上手く対応できる書類の作成がポイントです。
家族に内緒のまま申請できる?

結婚ビザ(配偶者ビザ)の申請前から家族と縁を切っているケースなどが該当します。
夫婦にまつわる一切の情報を知られたくない場合、申請したこと自体を家族に教えないよう、審査官へお願いすることは可能です。絶縁状態になった理由にもよりますが、考慮される場合も多いです。ただし、最終的な判断は入管側に委ねることになります。
結婚報告の有無は質問書に記載
国際結婚を家族に報告したかどうかは、必須書類である「質問書」の8ページ目に記入します。一般的に、この項目は丸で囲んだほうが望ましいとされますが、親族が結婚を知らない場合、虚偽申請になるので丸を付けられません。
どうしても教えたくない場合は?
結婚ビザ(配偶者ビザ)の申請を家族に教えたくないケースでは、後述する補足説明書や申請理由書の作成・添付がおすすめです。

家族に黙って申請することになった事情を、審査官へ詳細に伝えるイメージです。
家族が結婚を知らない場合は補足書類を添付
名称 | 記載する内容 |
---|---|
補足説明書 | 各提出書類の中で特別に説明したい項目 |
申請理由書 | 知り合ってから結婚に至るまでの経緯 |
結婚を報告していないことについて、何の釈明もなく配偶者ビザを申請すると、審査官の印象は悪くなります。そのため、質問書の「補足説明書」を作成したり、申請理由書に事情を追記したりするのが有効な方法になります。
補足書類はどちらか一方でOK

申請理由書内に組み込むかたちで書面を整えれば、補足説明書は原則不要です。
反対に、補足説明書を用いる場合は、申請理由書に同じ内容を記載する必要はありません。どちらか好みの方法でOKです。ちなみに、当事務所ではヒアリングの内容にもよりますが、補足説明書を別途作成するケースが多いですね💁♀️
補足書類の様式は?
法務省Webサイトなどで特定の書式は公開されていません。サイズはA4で、作成年月日・あなたの住所・署名捺印があれば申請に使用できます。補足説明書を準備する場合、タイトルは「質問書に関する説明書」で構いません。
報告していない理由を記述しよう
- 交際していたことも家族は知らないのか
- 結婚を秘密にしようと思ったきっかけ
- この先話し合いや説得の場を設けるのか
上記の項目を主に記述していきます。具体的なエピソードを交えて、審査官が納得できるようなかたちで説明することを心がけてください。
国籍などの理由のみで反対された
外国人配偶者の性格や人柄ではなく、単に国籍や人種が理由で交際に難色を示されたため、結婚を知らせていないケースでは、その旨を記載しましょう。こちら側では何ともならない理由なので、ある程度は入管も事情を汲み取ってくれると考えられます。
結婚ビザ取得後のプラン・計画など

少しでも状況を打開できる可能性があれば、今後の話し合いなどについて触れておくことも有効です。
あなたたちご夫婦に説得する意思がある場合は、その旨も記載しておけばベターです。結婚ビザの取得後、外国人配偶者が日本語を勉強し、自分の言葉で家族と話すことを希望していれば、そういった事情も記載しておくよう推奨します。
真実の結婚をアピールすることが重要
国際結婚を家族が知らない以上、申請は不利な状況からスタートします。単に「偽装結婚ではありません🙅♀️」と記載するのではなく、真剣な交際を経て結婚に至ったことを、様々な角度から適切に主張するのが、許可率を高めるポイントです。
補足書類を作成・添付する本来の目的もこの点にあります。
配偶者ビザを申請する前に

親族や親戚が望めないなら、友人でもOKなので、近くの誰かに今回の国際結婚、及び配偶者ビザ申請について話しておくことを推奨します。
万が一、あなた(日本人配偶者)が突発的な疾病や交通事故に遭った場合、誰も結婚したことを知らないと、外国人配偶者は頼れる相手がいなくなってしまいます。非常事態が起こった際に、協力を依頼できる方がいれば安心ですね。
身元保証人になってもらう必要はなく、声をかけておくだけで構いません。
おわりに
家族や親族が国際結婚したことを知らないケースの結婚ビザ(配偶者ビザ)申請について解説しました。近親者に知られずにビザを取得することは可能なので、前向きに考えて書類作成にあたってください💁♀️