- アルバイトの時間超過に注意(週28時間)
- 学校の出席率も確認しておこう
- 中退・休学時は就労が制限される
このページでは、留学ビザから配偶者ビザへの切り替え(在留資格変更許可申請)について解説しています。
この記事の目次
週28時間ルールと出席状況を確認しよう
まずは、留学生として来日している外国人配偶者が、留学ビザのルールを守っているかをチェックしましょう。結婚ビザの変更申請後に判明しても間に合わないので、なるべく実際の資料を参照しながらの確認をおすすめします。
アルバイトで時間を超過していないか
- 授業期間中週28時間
- 長期休暇中週40時間(8時間/1日)*
在学中の勤務時間が上記の範囲内であればOKです。なお、時給の額に制限は課されていないので、規定の時間内であれば、いくら稼いでいても構いません。もし週28時間ルールを超えていれば、即刻中止するよう伝えてください💁♀️
*学則に基づく長期休暇中(夏休みなど)
参照するべき資料:給与明細書
給与明細書に記載されている勤務時間の欄が参考になります。シフト表と組み合わせてチェックしてください。
参照するべき資料:課税証明書
お住まいの市役所・区役所から取得できる課税証明書には、昨年度の収入が記載されています。
当時の時給額を用いて計算すれば、外国人配偶者の過去のおおまかな勤務時間が推測できます。なお、配偶者の課税証明書は実際の結婚ビザ申請で求められる場合もあるので、取得したらそのまま提出書類に組み込むことを推奨します。
資格外活動許可欄も一応確認しよう
資格外活動許可は「アルバイトをするための許可」という理解で構いません。ほとんどの留学生は問題ないと思われますが、念のため、配偶者の在留カード裏面に赤枠の記載があるかをチェックしておきましょう。
赤枠内に何も記載されていない留学生は原則、一切のアルバイトが認められません。
学校の出席状況:出席率は何%か
通学先の出席率が低いと、結婚ビザ(配偶者ビザ)への変更が不利になります。80%を超えているかが1つの目安になります。
具体的には、学校から発行される「出席状況証明書」から確認できます。欠席率が著しく高いと、留学ビザでの在留状況が悪いと判断され得るので、たとえ収入面等で問題がなくても不許可になる可能性があります。
※書式・デザインは各学校で異なります。
出席率が80%を下回っている場合は?
出席率が8割未満の場合は、申請理由書などで触れておくのが望ましいとされます。下記のような理由が代表的です。可能であれば、学校を休んでいた理由を裏付ける資料(診断書など)を添付しておきましょう。
- 自身の体調不良で通学が困難だった
- 親族の看病等のため休みがちになった
- 学業に対するモチベーションが低下した
中退・休学した場合の結婚ビザ変更申請
履修を終え卒業し、配偶者ビザへの変更をかける外国人に比べて、中退歴(退学歴)や休学経験のある方の変更申請は不利に扱われる傾向にあります。
学校を中退した留学生と配偶者ビザ
留学ビザの在留カードを所持しており、かつビザの有効期限が残っている場合でも、中途退学した時点で留学ビザの該当性は失われます。つまり、あなたの配偶者は「留学ビザで滞在してはいけない外国人」になります。
原則、退学して3ヵ月が経過すると、留学ビザは取消の対象*になり得ます。いつでもビザが失効する不安定な期間といえます。
*正当な理由があって退学した場合を除きます(入管法22条の4)。
法務省(法務大臣)から留学ビザの取消通知を受ける前に、早めに結婚ビザへの変更手続きを行いましょう。3ヵ月が経過するとマイナスに評価され得ます。
中退後に出会ったケースは要注意
外国人配偶者が学校を退学してから、あなたと知り合っている場合は、シビアな審査になります。「日本に滞在し続けたいから偽装結婚をしたのでは🤔」という主観が審査側で先行するため、それを払拭する資料(LINE履歴など)の添付が推奨されます。
退学に至った原因なども申請理由書内に記載できればベターです。
退学後のアルバイトは法律違反
留学ビザの資格外活動許可(アルバイトの許可)は、学校に在籍している間のみ有効です。
中途退学すると、週28時間ルールに関係なく、元留学生は一切のアルバイトが認められなくなります*。結婚ビザの変更申請時に不利になるので、退学と同時にアルバイトも辞める、もしくは休職するのが正しい選択です。
*参考法令入管法施行規則19条
婚姻後も同じ職場で勤務したい場合
外国人配偶者
同じ勤務先でアルバイトを続けます😺
無事に結婚ビザへの変更が許可されたあとも、引き続きアルバイトを続けたいケースでは、学校へ行かなくなった時期に合わせて休職し、結婚ビザが交付されたタイミングで復職する流れになります。変更申請中に出勤するのは避けましょう。
在籍期間外のアルバイトが発覚しても、必ず不許可になるわけではありません。ただし、審査の過程でマイナスの評価を受けます。
休学経験のある留学生と配偶者ビザ
休学中の外国人もアルバイトに制限がかかります。休学期間中は、資格外活動許可(アルバイトの許可)があっても一切の就労が認められません。
- あなた(日本人配偶者)と知り合う前
- 他の学校へ通っていた場合はその在籍期間中
上記の期間内で、外国人配偶者に休学経験がある場合は、当時のアルバイト状況に注意してください。休学中に就労していた事実があると、結婚ビザへの変更申請で不利に扱われます。もし就労していた場合は、後述する反省文などの添付が推奨されます。
留学ビザからの変更で提出するべき資料
留学ビザから配偶者ビザへ変更する際に、添付しておいたほうがいい書類について説明します。法務省Webサイトでは案内されていないものを主にピックアップします。
外国人配偶者の課税証明書
あなたのほか、申請人(外国人配偶者)の課税証明書も添付することをおすすめします。
繰り返しになりますが、課税証明書には昨年度の収入が記載されるので、時給で割るとおおよその勤務時間が把握できます。配偶者の分も添付しておけば、間接的に週28時間ルールを守っていることが伝えられます。
外国人配偶者の給与明細書のコピー
添付したほうがいい理由は課税証明書と同じです。資格外活動許可の範囲内で就労していることをアピールするために用います。
会社が発行する資料のため、課税証明書に比べて証明力は少し落ちますが、十分資料として使用できます。入管局から追加資料で給与明細を求められることも少なくないので、結婚ビザへの変更時は先に提出しておくことをおすすめします。
夫婦間の関係性を証明する資料
LINE履歴のスクリーンショットなどが該当します。写真以外にも間柄が伝わる資料を添付しましょう。
留学ビザから配偶者ビザへ変更する際は、スナップ写真以外にも、色んな角度から夫婦の間柄をアピールするのが望ましいとされます。参考記事のほか、結婚披露宴の招待状コピーなども有効な資料になり得ます。
反省文・嘆願書
アルバイトの時間超過があった場合や、退学後・休学中の就労活動があった場合などに作成します。
- 週28時間(40時間)ルールを超えて働いていた
- 中途退学後や休学期間中も就労していた
このような事実があった場合は、結婚ビザへの変更時に、反省文や嘆願書と呼ばれる書面を作成・添付するのが推奨されます。またアルバイト以外にも、出席率が著しく低いケース(通学していなかったケース)で反省文などを提出する場合があります。
反省文に記載する項目
- 作成年月日・申請人の自筆署名
- 資格外活動許可の範囲を超えて就労していたこと
- 現在は法律違反の状態が解消されていること
- 二度と同じ過ちを繰り返さないこと
基本的には、上記の項目を中心に書面を組み立てていきます。外国人配偶者がご自身で作成する際は、A4サイズの用紙を準備するよう伝えてあげてください。文面自体は手書き・パソコンのどちらでも構いません。
その他の資料(妊娠証明など)
- 妊娠証明書病院から発行
- 退学証明書学校から発行
結婚ビザの申請前に妊娠が判明している場合は各種診断書を、既に退学されている場合は、学校の名称や退学年月日が記載された証明書を添付するのも有効です。本人の申述だけでは審査官も判断に迷うので、客観的な資料を付け足していくのが肝心です。
おわりに
留学生との結婚(配偶者ビザへの変更申請)について解説しました。仮に留学ビザからの変更がスムーズにいかなかった場合は、一度母国へ戻ってもらったあと、配偶者ビザの認定申請を採用することになります。