- 月収20万円・年収250万円が審査のボーダー
- 職業証明や残高証明資料も添付しよう
- 収入が少ない場合は保証人の追加等を検討
このページでは、配偶者ビザ(結婚ビザ)申請における、収入要件・年収額の目安について解説しています。
この記事の目次
結婚ビザの収入はいくらが目安?
世帯月収が月20万円、年収換算で250万円程度が、結婚ビザ申請における許可・不許可のボーダーになると考えられます。
結婚ビザの審査において、夫婦として生活できるだけの収入・資産があるかどうかは非常に重要視されます。ただし、法令や内部資料などで具体的な金額は定められておらず、あなたたち夫婦の生活状況を踏まえて個別に判断されます。
不許可理由と収入要件
- あなたの職業会社員
- 勤続年数3年ほど経過している
- 同居予定外国人配偶者のみ
仮に上記の例で、月収20万円を超えている場合、収入の低さが理由で不許可になるケースは少ないかもしれません。結婚ビザの性質上、いくら以上の年収があるからOKという認識は避けるべきですが、収入要件のおおまかなイメージはこんな感じです。
正社員として長年勤務している方であれば、過度な心配は不要といえます。
収入額は課税証明書が基準になる
あなたの収入額は、市役所・区役所から発行される、直近年度の課税証明書から確認されます。
前年度の年収(所得)を証明する書類を「課税証明書」といい、結婚ビザ申請では必須資料に指定されています。まれに自身の想定する収入額と異なる数字が反映されているケースもあるので、申請前に各自チェックしておきましょう。
配偶者ビザ申請に必要な課税証明書と納税証明書の概要まとめ職業や貯金額の立証も有利になり得る
収入額以外にも、ご夫婦の社会的信用をアピールする方法はあります。定職に就いている方は職業証明を、こつこつと貯金を続けている方は残高証明の添付もおすすめです。
在職証明書はなるべく提出しよう
正社員だけでなく、契約社員や派遣社員の方でも取得を推奨します。必須書類ではありませんが、添付して損はない資料です。
会社役員の職業証明資料は?
株式会社等の代表者は、法務局から発行される法人登記事項証明書が在職証明資料に相当します。
個人事業主の職業証明資料は?
個人事業主(自営業)の場合は、確定申告書控えのコピーが在職証明資料に相当します。
確定申告書には年間所得*も記載されるので、職業と所得を同時に立証するかたちになります。申告した所得額の多寡にもよりますが、基本的には提出をおすすめします。
*個人事業主の方は所得(売上-経費)の額が基準になります。
残高証明は金融機関から取得
ご利用の金融機関(銀行など)の窓口から請求できます。添付枚数に制限はありません。
残高証明資料も、結婚ビザ(配偶者ビザ)申請の必須書類には指定されていません。ただ、比較的かんたんに資産状況をアピールできるので、貯金のあるご夫婦は添付をおすすめします。貯蓄があるほど、当面の生活費は工面できるとみなされます💁♀️
あくまでも、審査のポイントは収入の安定性にあります。預貯金の多寡が劇的に影響を与えることはありません。
収入の立証と申請カテゴリー
結婚ビザ申請には認定・変更・更新の3種類があり、どのカテゴリーを選ぶかによって収入の立証方法が微妙に異なります。
認定申請を選択する場合
認定申請で海外から配偶者を呼び寄せる場合は、日本人側の収入・資産状況がポイント*になります。
日本で暮らすためのビザを申請するので、外国人配偶者が海外現地でいくら収入を得ていたかは、審査であまり考慮されません。つまり、申請人(外国人配偶者)が無職であっても、審査への影響は少ないといえます。
*身元保証人がそのまま扶養者(生計維持者)を担うイメージです。
変更・更新申請を選択する場合
変更申請や更新申請で結婚ビザを取得する場合は、夫婦の世帯収入を踏まえた審査になります。
配偶者が就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)で既に来日している場合は、外国人配偶者の課税証明書等も提出できればベターです。反対に、外国人配偶者があなたを扶養しているケースでは、外国人配偶者の収入証明が審査の軸になります。
外国人配偶者が専業主婦/主夫であれば、あなたの収入立証資料のみで構いません🙆♀️
前回申請時から収入が下がった場合
更新申請(延長)のタイミングで世帯収入が低下していると不利になります。在留期間の年数が短縮される場合*もあることを知っておいてください。
*3年単位で更新していた配偶者ビザ申請が1年毎になる場合など
月収が20万円以下の場合の対処法
給与が低額で推移しているほか、課税証明書の金額に大きなズレがあるケースでは、偽装結婚と判断されなくても、収入要件で不許可になる可能性があります。在職証明や残高証明以外にも、様々な角度から収入状況・所得状況を立証していきましょう。
原因・事例 | 具体的な対応策 |
---|---|
家賃を抑えたい | 実家(持ち家)にて生活する |
就職して間もない | 給与支払見込証明書,給与明細のコピー等を添付 |
転職活動中である | ハローワークカード等の添付 |
家族が協力してくれそう | 追加の身元保証人を立てる |
配偶者も就労意思がある | 申請人の雇用契約書等を添付 |
(あなた+被扶養者)人×78万円で算出した年収額が実務上の最低ラインとされています。あなたと配偶者の2人暮らしの場合、2×78÷12=13万円を超える月収であれば、結婚ビザを申請する価値はあるといえます(78万円は国民年金の年間受給額がベース)。
家賃がネックになっているケース
「当面は父母等の持ち家(実家)で暮らす」という内容で整えれば、家賃がかからないので、比較的緩やかな審査になると考えられます。
申請理由書などに家賃が発生しない点を記述しておけばベターです。結婚ビザを取得した当初は実家で同居し、経済的に安定してから新居を探すのも方法のひとつですね。
扶養者が就職して間もないケース
- 給与支払見込証明書*
- 給与明細書のコピー(直近3ヵ月分程度)
- 労働条件通知書のコピー
働き始めて間もないのが理由で収入が低い(低かった)場合は、上記の資料を追加で添付するよう推奨します。安定した収入が期待できる点をアピールするイメージです。
*同証明書は勤務先から発行される書類です。
転職活動を継続しているケース
転職活動中であれば、その事実を証明できる資料を添付しておきます。ハローワークカードのコピーなどが代表的な資料です。
ただし、実務上は転職を終えてからの申請が推奨されます。新しい職場で勤務を開始し、数ヵ月経過してから申請に臨めば、扶養者(身元保証人)としての実績をより強くアピールできます。可能であれば、就職まで待つのがベターです。
家族が協力してくれるケース
親族が応援してくれる場合は、家族へ身元保証人を依頼するのも有効な方法です。あなたと親族の2人で配偶者の身元保証を担うかたちになります。
依頼の優先順位は父母>兄弟姉妹>その他親族の認識で構いません。追加した保証人に関する資料は別途必要になりますが、審査でプラスに働くことが多いです。
追加の身元保証人が用意する資料
- 身元保証書
- 住民票(同一世帯でない場合)
- 在職証明書
- 課税証明書
- 納税証明書
- 残高証明書,など
なお、家族の協力が不要とみなされるケースも少なくありません。仮に月収が18万円前後であっても、そのほかの条件(勤続年数など)が整っていれば、日本人配偶者のみの保証で結婚ビザ申請をかけることもあります。
配偶者にも就労意思があるケース
現実的ではありませんが、結婚ビザの申請前に外国人配偶者が就職活動を行い、本人の内定通知書(雇用契約書)を併せて添付する方法もあります。
配偶者が短期滞在ビザを取得し、来日中に面接を受けるパターンもあり得るので、かなりハードルは高いです。ただ「結婚ビザが下りてから就職活動して家計を支えます🙋♀️」に比べて確実性が高くなるので、それなりに有利に扱われます。
元技能実習生で日本語が得意だったり、日系企業での就業経験がある配偶者なら、検討の価値はあるかもしれません。
おわりに
配偶者ビザ申請における収入要件・生計要件について解説しました。結婚生活の安定性に関しては、ご夫婦の状況に応じて柔軟に審査されます。年収が200万円を下回る方でも許可が下りた事例はあるので、当記事の内容は一般的なものとしてご理解ください🙏