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短期滞在ビザから結婚ビザへの変更申請:概要を総まとめ

短期滞在ビザから結婚ビザへの変更申請:概要を総まとめ

メリット
  • 帰国せずに継続して滞在できる
  • 審査期間が短縮される
  • 結果的に手続きが1つ省略される
デメリット
  • 変更できるのは特定の条件下のみ
  • 短期ビザの期間は90日間が必須
  • 100%受理されるわけではない

このページでは、短期滞在ビザ・観光ビザから結婚ビザへの変更申請(在留資格変更許可申請)について解説しています。

短期滞在から結婚ビザへの変更は例外的な手続き

短期滞在ビザから結婚ビザへの変更は特別な事情が必要

法律上、短期滞在ビザ(観光ビザ)からの切り替えは「特別な事情」がない限りできません。

特別な事情とは?

  • 来日中に婚姻手続きを行った
  • 外国人配偶者が妊娠している

これら2つが「特別な事情」に該当するとされる代表的な理由です。ただ、条文(入管法20条3項)に具体例は示されておらず、実際は個々人の状況を勘案して受理・不受理が決定されます。ケースバイケースという理解で構いません。

短期滞在の在留資格をもって在留する者の申請については、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しないものとする。

来日中の婚姻手続きについて

結婚すると婚約者から身分が変わる

訪日後に結婚すると、婚約者から配偶者へ法的な身分が変わります。つまり、身分事項の変動が「特別な事情」に相当し得る、という理屈です。

100%受理されるわけではありません。ただ、申請時点で既に同居を開始しているなど、婚姻の実態が客観的に証明できる場合は、認められる余地があります。

そもそもなぜ変更できないの?

短期滞在ビザは帰国が前提

短期滞在ビザ(観光ビザ)が帰国を前提に発給されているからです。結婚ビザへの変更を想定していない、とも言い換えられます。

短期ビザから結婚ビザ取得の流れ

短期ビザ(観光ビザ)から配偶者ビザの交付までは以下のように流れていきます。

STEP.1
婚約者が短期滞在ビザを取得&入国

手続き海外側
👉ビザ免除の対象者は直接入国できます

STEP.2
日本国内で婚姻手続きを行う

手続き日本側
👉既に婚姻している場合は飛ばしてください

STEP.3
あなたと配偶者が申請書類を準備

手続き日本側

STEP.4
出入国在留管理局へ出向き書類を提出

手続き日本側

STEP.5
2週間~1ヵ月間待つ

手続き日本側

STEP.6
審査結果が郵送で通知される

手続き日本側

出入国在留管理局で在留カードを受領👌

査証免除協定が結ばれている国の国民を指します。外務省Webサイトにリストアップされている国籍の方であれば、ビザなしで入国できます。

在留カードの受領で手続き完了

配偶者ビザの在留カード

配偶者ビザへの変更が認められると、入管局から在留カードが発行されます。

短期滞在ビザの期間は90日間が必須

「特別な事情」を満たしているだけでは配偶者ビザへの変更はできません。90日間有効の短期滞在ビザを所持していることも条件です。

短期滞在ビザの期間とは?

短期滞在ビザの期間は3種類

短期ビザには15日枠,30日枠, 90日枠の3種類があり、在留資格「日本人の配偶者等」への変更は90日枠の所持が求められます。

お相手のパスポートには、上記画像のような「証印」と呼ばれるシールが貼り付けられます。証印を見れば、何日枠で許可されているかが判断でき、90日枠なら「90days」と印字されます。

NOTE

「在留資格:日本人の配偶者等」=「結婚ビザ/配偶者ビザ」と考えてください。

90日枠が必要な理由

配偶者ビザ申請における特例期間

90日枠の場合、万が一期限を過ぎてもオーバーステイにはなりません。特例期間が適用され、最長2ヵ月間までは合法的に滞在できます。

  1. 来日後の婚姻手続き
  2. 申請書類の作成や資料の収集
  3. 入管局側での審査・結果通知

これらすべてを短期滞在ビザの期限内に終わらせる必要があるため、15日枠や30日枠での変更申請は避けるべきです。窓口でも断られる場合がほとんどです。

特例措置は90日枠のみ

一方で、90日枠の短期滞在ビザには特例期間が適用されるため、実際は約5ヵ月の猶予があります。申請さえできれば、原則オーバーステイにはなりません。

出入国管理及び難民認定法20条6項

もちろん認定申請もOK

認定申請も候補に入れよう

この記事のテーマは短期ビザからの変更申請ですが、認定申請(在留資格認定証明書交付申請)を用いても構いません。

なお、認定申請を行い、外国人配偶者の日本滞在中に認定証明書が交付されれば、そのまま結婚ビザを取得できる場合があります。

認定申請を用いると、特例期間は適用されなくなる点に注意してください。

  1. 配偶者の日本滞在中に結果が下りない
  2. 配偶者の日本滞在中に結果が下りる

1の場合は通常通り、短期滞在ビザの期限が来たら帰国します。ただ、2の場合は、帰国する理由がなくなるため、特別に認定申請から変更申請の形でそのまま結婚ビザが付与されます。ただこの手続きも100%ではなく、ケースバイケースで判断されます。

15日枠や30日枠で来日した場合

帰国後に在留資格認定証明書交付申請

すでに15,30日枠の短期滞在ビザで入国している場合は、認定申請に切り替えるのも有効な方法です。

変更申請ではなく、認定申請(在留資格認定証明書交付申請)を用いた結婚ビザの取得をおすすめします。むしろ、認定申請のほうがスタンダードな方法なので、諸々の手続きはスムーズに流れていきます。

ゆっくり準備を進められる

認定申請に切り替えれば、日本国内で婚姻手続きをする必要もありません。あなたが海外へ渡航した際に、現地で婚姻手続きを行ってもOKです。

これから短期ビザを取得する方

査証申請書の見本

変更申請を希望する場合は、90日枠の短期滞在ビザを申請しましょう。そこまで変更申請にこだわりがなければ、30日枠なども候補になります。

ビザ免除の対象者を除いて、申請時には審査が実施されます。短期滞在ビザが不許可になると予定が崩れてしまうので、慎重に書類作成を進めてください。

参考 短期滞在ビザまるわかり当事務所が運営する姉妹サイト💻

変更目的の申請は不利になりやすい

変更申請目的の短期ビザ取得は特殊なケース

婚約者の国籍にも左右されますが、結婚ビザへの変更を目的とした短期滞在ビザ申請は不利になる傾向があります。

前述のとおり、短期滞在ビザは帰国を前提に発給するのが原則なので、少し特殊な申請になります。大使館側でほかの方法(認定申請)を案内される可能性もあります。

知人訪問もしくは親族訪問で申請

  1. 知人訪問
  2. 親族訪問
  3. 商用訪問(ビジネス目的)

短期滞在ビザは大きく3つの類型に分かれます。不利になるからといって、異なる類型で申請するのは避けてください。婚約者を呼ぶ場合は「知人訪問」、既に婚姻して妊娠中の場合は「親族訪問」を選択します。

入国記録カードも適切に記入しよう

EDカード(入国記録カード)の記入にも注意しよう

無事に許可が下りたあとは、日本入国時に提出する入国記録カード(EDカード)も抜かりなく記入してもらいます。女性の婚約者が訪日する場合、渡航目的は上記のように記載できればベターです。

婚姻手続きは時間がかかることも

変更申請はせず、結婚の手続きだけを済ませる予定でも、期限内に終わらない場合があります。婚姻時の添付資料を、訪日前に現地で取得しておくなど、準備の短縮を進めておきましょう。

短期滞在から結婚ビザに変更するメリット

帰国せずに手続きが完結するほか、短期滞在ビザから変更申請をかけるメリットは主に2つあります。順番に見ていきましょう。

  • 審査の期間を大幅に短縮できる
  • 手続きを1つ省略できる

早く結果が通知される

変更申請と認定申請の審査期間の違い

受理されてから結果通知までの期間は、変更申請のほうが早いです。

なお、実際は再入国にかかる日数も短縮できるため、審査以外の場面でも円滑に結婚ビザを取得できます。妊娠中の方であれば大きなメリットになりますね。

手続きも1つ省略できる

査証申請を省略できる

変更申請では一時帰国が発生しないので、それに紐づく査証申請が省略されます。

査証申請とは具体的に何?

本来は入管局と在外公館で審査が実施される

海外現地にある日本大使館や総領事館で実施される審査のことを査証申請といいます。

入管局で在留資格の認定をもらったあとは、外国人配偶者が居住地にある日本大使館・領事館へ向かい、査証申請を行うのが一般的な流れです。認定申請(在留資格認定証明書交付申請)はこの形態をとっています。

NOTE

つまり「入管局」と「大使館・領事館」で二重に審査をしているわけです。

変更申請は入管局の審査のみ

大使館側の査証申請を省略する

変更申請の場合は、配偶者ビザの認定が下りた時点で、本人が既に来日しているため、現地大使館・領事館の出番がありません。

結果的に、2つある審査の1つを飛ばすことになるため、この点もメリットとして挙げられます。ただし、みんながこの方法を使うと結婚ビザの審査制度が形骸化するため、特別な事情というハードルを設けているのです。

短期ビザと結婚ビザの査証は別物

短期滞在ビザを取得した際にも、査証(ビザ)は発給されますが、種類が異なります。短期滞在は上記赤枠内に「TEMPORARY VISITOR」と印字されるのに対し、結婚ビザは「SPOUSE, CHILD OF JAPANESE」と印字されます。全くの別物という認識を持ってください。

短期滞在ビザからの変更申請で求められる書類

短期滞在ビザから在留資格「日本人の配偶者等」へ変更する際の必要書類は以下のとおりです。法務省Webサイトからも確認できますが『11 在留カード』の項目は無視してください。短期滞在者に在留カードは交付されません。

  • 在留資格変更許可申請書
  • 証明写真(縦4cm×横3cm)
  • あなたの戸籍謄本(市区役所発行)
  • 海外側の結婚証明書(Marriage certificate)
  • 直近年度の課税証明書(市区役所発行)
  • 直近年度の納税証明書(市区役所発行)
  • 身元保証書
  • あなたの住民票(市区役所発行)
  • 質問書
  • 関係性立証資料(記念写真や普段の連絡履歴など)
  • 外国人配偶者のパスポート
  • 在職証明書(会社員・公務員の場合)
  • 法人の登記事項証明書(会社役員等の場合)
  • 確定申告書の控え(個人事業主の場合)
  • 在留資格変更許可申請理由書
NOTE

あくまでも一般的なものを列挙しています。

結婚ビザへの変更は理由書がポイント

在留資格変更許可申請理由書の見本

結婚ビザの申請では理由書が最も重要になります。時系列を意識しながら作成しましょう。

単に「理由書」と呼称する場合が多い「在留資格変更許可申請理由書」ですが、法務省Webサイトには必須書類として指定されていません。ただ、後々追加で求められる場合も多いので、最初から提出することを強く推奨します。

ビザ申請は書面審査が原則

結婚ビザ申請で面接や電話調査は実施されない

結婚ビザ申請において面接や電話調査は原則行われません。提出した書面がすべてです。

審査官はこちらが有利になるよう誘導してくれません。理由書は自由形式なので、以下の3点を軸に文面を組み立ててください。

理由書に記載すべき項目

  1. 特別な事情に相当する理由
  2. 出会いから婚姻までの過程
  3. あなたの経済状況

基本的な書き方は通常の結婚ビザ申請と同じです。ただし、短期滞在ビザからの変更申請では「特別な事情」についても言及しておきましょう。

具体的な記載内容

  • 妊娠中飛行機への搭乗を極力避けたいから,など
  • 来日中に婚姻既に同居を始めている,など

出産を控えている場合は搭乗時の母子への影響、来日後に結婚手続きを行ったケースでは婚姻自体の明白性を伝えるなど、申請に至った理由を記載しておきます。はっきり明記しておくと、窓口で受理を断られる可能性も低くなります。

おわりに

短期滞在ビザから「日本人の配偶者等」在留資格への変更申請について解説しました。別記事で紹介している変更申請の概要を一読するとより理解が深まると思います。

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