- アプリやネットの出会いでも許可は下りる
- 軽い交際に思われないような対策が重要
- 数回は対面していることが望ましい
このページでは、SNSやアプリ・マッチングサイトがきっかけで国際結婚されたご夫婦の配偶者ビザ申請について解説しています。
この記事の目次
ネットでの出会いは不許可の理由にならない
SNSやマッチングサイトで知り合ったことが原因で、配偶者ビザが不許可になることはありません。
「ネット経由の出会いはビザ申請に不利」と書かれがちですが、出会い方に良いも悪いもありません。不許可になる大抵の理由は、知り合ってからの中身です。交際から結婚までの経緯が審査官に伝わらず、最後まで偽装結婚の疑いを払拭できなかった場合は不許可になる、という理解で構いません。
インターネット上で知り合ったという事実だけではマイナス評価にならず、あくまでも交際の過程が審査で重視される。
国際結婚でよく使われるサービス
オンライン経由でご依頼を受任していることもあり、当事務所では約3組に1組のご夫婦が、SNSやマッチングアプリをきっかけに国際結婚されています。その中からよく利用されているサービス群を紹介します。
Facebookで知り合われたご夫婦の申請は当事務所もよくお受けしています。またInstagramのハッシュタグがきっかけで接点が生まれた方も多いですね。
ほかのメジャーなSNSアプリでいうと、Wechat(微信)の位置情報共有機能を通して仲良くなり、交際に発展したご夫婦も散見されます。
VietnamCupidやFilipinoCupidもよく耳にするマッチングサイトです。日本人ユーザーが男性の組み合わせは特に多い印象を受けます。
上記サイトはオーストラリアのCupid Media社が展開しているサービスを指します(類似サイトもあります)。一般的な知名度は低いものの、ベトナム人やフィリピン人との国際結婚・婚活にはよく使われていますね。
Youtubeは説明不要ですが、BIGO LIVEなどのライブ配信アプリを通じて知り合われた方も徐々に増えている印象です。
Youtuberの方からのご依頼もここ数年でちらほらいただくようになりました。またライブ配信系の中でも、BIGO LIVEは運営母体がシンガポールということもあり、アジア圏のユーザー交流が活発とされていますね💁♀️
なぜ配偶者ビザの申請が不利になる?
対面の機会がなくても、離れ離れのままオンライン上で関係が発展していくことは大きなメリットといえます。しかし、配偶者ビザ(在留資格:日本人の配偶者等)の申請では、それがそのままデメリットに扱われてしまいます。
知り合ってから申請までの期間が短い
恋活・婚活系のサービスは、初めから結婚意思のある人が登録するため、平均よりも交際期間は短くなる傾向にあります。
また職場や学校での出会いと違い、SNSでの交流は「気に入らなければいつでも会話を中断できる」という特徴があります。つまり、お互いが交際に前向きであるからこそ連絡が続くので、ビザ申請に至るまでの期間が早くなるのは仕方ないといえます。
一般的にスピード婚は、偽装結婚の可能性を踏まえて慎重に審査されます。証拠になり得る資料を自発的に添付することが、許可率を高めるポイントです。
コミュニケーションや語学力がネックになりやすい
お互いの意思疎通や語学力に関しては、ビザの申請時に書面で申告することになります。不自由なく同居生活が送れるかどうかをチェックされます。
配偶者ビザ申請の必須書類である「質問書」に、双方の母国語の理解度やコミュニケーション方法について回答する項目があります。もちろん、入管側も完璧な意思疎通までは求めていません。ただし、翻訳アプリなどを用いない会話に苦手意識があるご夫婦は要注意です。最低でも日本語を学んでいる姿勢*はアピールしておくべきでしょう。
*夫婦生活を見据え、テキストで文法の基礎を学んでいる,など
申請時に意識するべきポイント3つ
配偶者ビザを申請する際は、知り合ったアプリやサイトの情報、対面の回数、メッセージ履歴(会話履歴)の3点に留意しながら書類作成にあたりましょう。
アプリ等の情報は申請書類に記載する
具体的には、理由書や質問書の中で言及します。どのアプリ・サイトで知り合ったのかが審査官に伝わればOKです。
基本的には、どんなサービスであっても名称を記載しておくのがベターです。マッチングサイトの種類によっては隠したくなる気持ちも察しますが、入管側も気になっている点です。きちんと伝えておけば、審査官の印象も良くなると考えられます。
日本国内の婚活サイトや、オンラインの結婚相談所を利用した場合は、Webサイト(会社概要ページなど)の印刷・添付も有効になり得ます。運営元を明らかにするイメージですね。
対面時の詳細や親族間の交流を強調する
渡航した時期や回数だけではなく、その時の2人の行動やエピソードも含めて書面で示していくイメージです。いわゆる「交際経緯の説明」ですね。
なお、対面の回数(渡航回数)が1回で配偶者ビザの申請を行う場合は要注意といえます。よっぽどの事情がない限り、厳しい審査になるでしょう。ご夫婦の事情にもよりますが、最低でも数回は相手国へ渡航、もしくは配偶者に来日してもらい、加えて親族との交流の場も設けておけば、審査官が抱く印象も変わります。
メッセージの履歴は時系列を意識する
最初の自己紹介や挨拶からの履歴が残っていれば、その画面のスクリーンショット添付を推奨します。履歴の繋がりを意識してピックアップしましょう。
メッセージ履歴(LINEやMessengerなど)のスクリーンショットは、2人のコミュニケーション能力や親密さをアピールできることから、有利になり得る資料とされています。直近のやり取りだけを抽出するのではなく、知り合った当初の履歴も提出すれば、夫婦としての信憑性をさらに高めることができます。
偽装結婚の場合は、そもそも自己紹介や挨拶のないケースがほとんどですね。
やり取りのデータが残っていない場合は?
外国人配偶者側のアカウントにデータがあれば、相手からスクリーンショットを送ってもらいます。自分のアカウントと多少混ざる分には問題ありません。
双方の端末等から抜き出せない場合は、なるべく昔のやり取りまで遡った上で、当初のデータが残っていない旨を表紙に記入しておくよう推奨します。
インターネット上のロマンス詐欺について
当記事を見ている方は問題ないと思いますが、マッチング系のサービスでは海外送金を狙った詐欺が横行しており、俗にロマンス詐欺と呼ばれています。
相手が異常に積極的で、知り合ってすぐにパスポートの作成代や来日費用(短期滞在ビザの取得費用)、結婚式の頭金などと称して送金を依頼してくるのが特徴です。また信用させる目的で、相手からパスポートの顔写真ページや自撮り風の写真が送られることもありますが、偽造されたものや別人の写真であるケースがほとんどです。
最近はFacebookやVKから個人の写真をまるごと抜き取り、完全に別人になりすますパターンが目立っており、年々巧妙さは増しています。
SNSサイト(インターネット)で知り合ったご夫婦の配偶者ビザ申請について解説しました。記事内で紹介した以外にも、申請のタイミングを後ろにずらして許可率を高める方法も有効とされています。ネット経由の出会いは申請時の伝え方が重要になるので、ご不安であれば一度ご相談ください💁♀️