- 在留資格認定証明書の交付後に作成する
- 条件を満たせば日本人配偶者も記入できる
- 提出先などは在外公館Webサイトを参照
このページでは、配偶者ビザ申請(在留資格認定証明書交付申請)で必要になる査証申請書・ビザ申請書をテーマに解説しています。
この記事の目次
査証申請書(ビザ申請書)とは
査証申請書は、海外にある日本大使館・領事館へ提出する書類です。日本の入管局には提出しないので注意してください。
認定申請(在留資格認定証明書交付申請)を用いた場合にのみ、査証申請書が必要となります。外国人配偶者が海外から日本へ入国するには、日本の入管局が交付する「認定証明書:COE」のほか、海外現地の大使館・領事館で「査証」も取得しなければなりません。査証を得るために提出する書類が査証申請書*です。
*ビザ申請書やVisa Application Form to Enter Japanも同じ書類を指します。
在留資格と査証の違い
在留資格は「日本で生活するため」、査証は「日本に入国するため」のアイテムという認識でOKです。画像のように、実際は査証を使って入国したのち、在留資格が付与されます。しかし、実務では順番が逆になっており、先に在留資格の認定を受けてから査証を取得します。この点が複雑なイメージを生む原因といえますね💁♀️
とりあえず、認定申請では「在留資格認定証明書」と「査証」がセットになると理解しておけば問題ありません。2つまとめて配偶者ビザです。
ビザ申請書は誰が作成する?
2枚目に申請人の署名欄があるので、本来は外国人配偶者が自分で記入・作成しなければなりません。
ただし、査証申請書には日本人配偶者(あなた)の情報も求められるため、外国人配偶者が単独で完成させるのは難しいケースもあります。そこで、以下の2点を満たせば、日本側での作成も認められるとされています。
- 外国人配偶者に記載内容をすべて理解させる
- 理解させた上で本人の署名をもらう
全項目の代筆とまではいかなくても、なるべく協力してあげましょう。記入できる箇所だけ書いて渡してあげるのもひとつですね。
ビザ申請書の日本語訳・サンプル
査証申請書には、ご夫婦の個人情報のほか、申請人(外国人配偶者)の犯罪歴や訪日歴の有無などを記入します。作成に取り掛かる前に、まずは日本語訳を眺めてざっくり内容を把握しておきましょう🙆♀️
英語版のほか、スペイン語・ポルトガル語・韓国語・中国語のビザ申請書があります。質問の順番など軽微な相違はあるものの、質問項目は同じです。配偶者の母国語が上記以外の場合(ベトナム人やロシア人など)は、英語版を使用してください。
査証申請書の書き方・記入例
最新のビザ申請書は外務省Webサイトからダウンロードできます。これから8つのブロックに分けて説明していくので、順番に見ていきましょう🙆♀️
1.証明写真は45mm×35mm
認定申請の際に使用した写真は4cm×3cmなので、使い回しはできません。直近6ヵ月以内に撮影したものを用意し、裏面に申請人(外国人配偶者)のフルネームを記入した上で貼り付けるよう伝えてください。海外現地で準備した証明写真でOKです。
現在、証明写真の規格は横幅45mmから35mmに変更されています。45mm×45mmの顔写真は昔の規格なので注意してください。
2.パスポートからの転記項目
- 1配偶者の名字
- 2配偶者の名前
- 3旧姓・旧名の有無
- 4生年月日
- 5出生地
- 6性別(男・女)
- 7Marriedを選択
- 8配偶者の国籍
- 9以前の国籍等
- 国民登録番号10
- パスポートの種類11
- パスポートの番号12
- パスポートの発行地13
- パスポートの有効期限14
- パスポートの発行官庁15
このブロックは、外国人配偶者のパスポートから転記していけばほぼ完成します。顔写真のあるページを参照しながら記入していきましょう。下記に注意点をまとめているので、不明点があれば目を通してください💁♀️
3旧姓・旧名について
旧姓や旧名がなければNONEまたはN/Aと記入します。外国人配偶者が、配偶者ビザの申請前にあなたの名字へ変更している場合などは、この欄に以前まで使用していた名前をフルネームで記載してください。
5出生地の表記がないケース
Place of Birthの項目が省略されている国もあります。表記がない場合は、本人の記憶や出生証明書(Birth Certificate)から確認してください。
9国籍の変更歴があるケース
配偶者が過去に国籍を変更している、また自国以外の国の市民権を保有している(二重国籍である)場合は、該当する国名を記載してください。現在まで国籍変更歴がなく、かつ自国の国籍のみ保有している場合はNONEやN/AでOKです。
10国民登録番号(ID)とは?
日本でいうマイナンバーに相当します。国によって表記のないパスポートもあるので、その際はIDカード等から転記するよう伝えてください。
11パスポートの種類
日本語に訳すと、左から順番に「外交・公用・普通・その他」と記載されています。外国人配偶者が一般人の場合は、普通旅券を意味するOrdinaryを選択しましょう。
12パスポート番号の記載場所
旅券番号は、顔写真のあるページの右上に印字されています。アルファベットなどの記号も正確に転記してください。
13パスポートの発行地とは?
現在使用しているパスポートが発行された場所(外国人配偶者が受け取った場所)を指します。Place of Issueの項目は省略されているケースが多いので、転記できない場合は本人の記憶をもとに地名を記入してください。
15パスポートの発行官庁とは?
パスポートを交付した機関(交付する権限のある機関)を指します。通常、この欄にはその国の外務省に準ずる省庁、または外務省の下部組織の名称を記入します。
Authorityの欄に印字されている省庁をそのまま記入しましょう。数字のみ印字されている場合(ウクライナなど)は数字を転記すればOKです。
ベトナムなどの一部の国では、顔写真ページ以外の箇所に発行官庁が印字されます。見当たらない場合は前後のページを確認するよう伝えてください。
3.来日に関する情報
- 1認定証明書の番号
- 2来日の目的:在留資格
- 3滞在予定期間&来日予定日
- 4日本入国時の空港名
- 5利用予定の航空会社
- 6日本人配偶者の氏名
- 7連絡先となる電話番号
- 8日本人配偶者の現住所
- 9前回の日本滞在期間
申請人(外国人配偶者)の訪日歴や日本渡航時の詳細について回答します。なお、現在は「1認定証明書番号」の項目が新たに設置されているので注意してください。それでは下記の補足説明を見ながら埋めていきましょう🙆♀️
1在留資格認定証明書の番号とは?
在留資格認定証明書の右上に印字された文字列が認定証明書の番号です。認定証明書自体は配偶者ビザの許可後に入管局から郵送されますが、番号は申請方法や受付管轄によって異なります。枠内に入りきらない場合は印刷後に手書きで記入してください。
在留資格認定証明書の電子化(メールでの交付)を希望した方は、届いたメールの文面から番号を探して転記しましょう。
2来日の目的について
配偶者ビザ(査証)の申請を行っているので、as a spouse of japanese national(日本国民の配偶者として)と記入しておけばOKです。自由記述欄なので「日本人配偶者と一緒に生活する」という意味を含んでいれば、どんな書き方でも構いません。
3滞在期間が決まっているケース
日本に3年滞在し、そのあと別の国へ移住する予定であれば3 yearsと記入します。日本での永住を予定しているご夫婦はlong term(長期)としておけば問題ありません。
3入国日が確定しているケース
入国日が決まっている場合は、日/月/年の順で日付を記入します。査証が発給され次第の来日を希望であればas soon as possible(なるべく早く)と記述しておけばOK。なお、査証発給までの期間は約1週間です。それより早い交付は期待しないでください🙅♀️
4空港名の書き方
入国時の空港 | 記入例 |
---|---|
成田空港 | NARITA-AP(NRT) |
羽田空港 | TOKYO-AP(HND) |
中部空港 | CHUBU-AP(NGO) |
関西空港 | KANSAI-AP(KIX) |
福岡空港 | FUKUOKA-AP(FUK) |
特定の書き方はないものの、上記のように空港コードも付しておけばより正確ですね。仮に外国人配偶者が成田空港から関西空港へ移動するケースでは「成田空港」を記入します。最初に上陸した空港で配偶者ビザ(在留資格)が付与されます💁♀️
5航空会社の表記方法
JALを利用するならJapan Airlines、ANAならAll Nippon Airwaysといったように、会社名をそのまま記入すればOKです。査証申請書に記載した航空会社の利用が絶対ではないので、未確定の場合は予定で構いません。
8現住所の表記方法
- 〒231-0017 神奈川県横浜市中区港町1-0-301
- 1-0-301, Minato-cho, Naka-ku, Yokohama-shi, Kanagawa, 231-0017, Japan
住所のアルファベット表記は上記を参考にしてください。住民票上の住所と現在の居住地が異なる場合は、今の住所(夫婦の同居先)を記入します。
9過去の訪日歴・滞在期間
配偶者ビザで入国する前に、留学ビザや技能実習ビザ(就労系ビザ)、短期滞在ビザなどで訪日していた場合は、その滞在期間を記入します。査証申請書の記入時点で来日歴がなければNONEまたはN/AでOKです。
記憶が曖昧な場合は、パスポートにある証印シールや出国スタンプなどが参考になります。なるべく正確な日付を記入してください。
4.外国人配偶者の個人情報
- 1申請人の現住所
- 2申請人の電話番号
- 3申請人の携帯電話番号
- 4Eメールアドレス
- 5申請人の現在の職業
- 6勤務先・通学先の詳細
申請人(外国人配偶者)の個人情報を記入していきます。このブロックに限った話ではありませんが、空欄のまま提出するのは避けてください。記入漏れなのか「該当なし」なのかが判別できなくなり、担当官が困ってしまいます💁♀️
1住居が複数あるケース
外国人配偶者の住所が複数ある場合は、それらすべてを査証申請書に記入しなければなりません。また、番地のある土地に居住している申請人に関しては、なるべく番号なども省略せずに記載しましょう。
2固定電話がないとき
自宅電話がない場合は、空欄にせずNONEと記入します。仮に携帯電話番号もない(IP電話やアプリ通話のみの)ケースでは、2と3それぞれにNONEが必要です。
5外国人配偶者の職業
配偶者ビザの取得や来日準備で既に退職している場合はNONEでOKです。日本語学校に在籍中であれば、Studentとしておけば問題ありません。
6勤務先・通学先の有無
お相手が無職の状態であれば、この欄にもNONEと記載しておいてください。来日ギリギリまで勤務される方や、各種学校に通学している場合は、会社名(学校名)と電話番号、所在地をそれぞれ記入します。
5.日本人配偶者の個人情報
- 1日本人配偶者の職業
- 2日本人配偶者の氏名
- 3連絡先となる電話番号
- 4日本人配偶者の現住所
- 5生年月日
- 6性別(男・女)
- 7申請人との関係
- 8日本人配偶者の職業
- 9Japanと記入
日本人配偶者(あなた)の情報がメインとなっています。氏名や電話番号、住所は3つ目のブロックと重複するケースがほとんどなので、コピペで済ませておきましょう。
1は空欄でもOK
パートナーの職業、つまり日本人配偶者(あなた)の仕事を指します。この項目は必須ではないので、空欄のまま提出しても構いません。
7申請人との関係欄
あなたが男性ならHusband、女性ならWifeと記入します。書き方は決まっていないので、夫婦であることが分かればどんな表現でも問題ありません。
8職業の英語表記
職業の類型 | 記入例 |
---|---|
会社員 | Company Employee,Office Worker |
会社役員 | Executive,Director |
会社社長 | President,CEO |
自営業 | Self-employed |
公務員 | Public Employee,Government Official |
代表的なものを挙げてみました。上記のいずれにも該当しない場合は、Google翻訳やオンライン英語辞書などを参考にしてください。
6.招待者(招へい人)の情報
配偶者ビザ申請の場合、Guarantor(保証人)とInviter(招待者)は同一人物になるので、Nameの欄にSame as above(同上)と記入しておけばOKです。日本人配偶者が呼び寄せ、かつ来日後の身元保証も担うイメージですね💁♀️
短期滞在ビザなどで呼び寄せる場合は、招待者と保証人が異なる場合もあり、そういった状況を想定してこの項目が設けられています。
7.申請人の法律違反・犯罪歴
- 日本または他国で犯罪もしくは違法行為の有罪判決を受けた
- 日本または他国で1年以上の懲役もしくは禁錮の刑に処せられた
- 不法残留もしくは法律や規則に違反し、日本または他国から国外退去処分を受けた
- 日本または他国で麻薬、大麻、あへん、覚醒剤または向精神薬の取り締まりに関する法令に違反し、有罪判決もしくは処罰を受けた
- 売春またはその周旋、売春の勧誘、その場所の提供、その他売春に直接関係のある業務に従事した
- 人身取引等を行い、そそのかし、またはこれを支援した
2と4に関しては、刑の執行が猶予された場合(執行猶予処分)を含みます。上記のいずれにも該当しない場合はNOにチェックを入れてください。
過去にオーバーステイで処分を受けた外国人は3をYESにし、下の枠に詳細(発覚から帰国までの時系列等)を記述します。
8.申請年月日・申請人の署名
最後に、申請年月日と署名を付して査証申請書は完成です。なお、署名欄は外国人配偶者の自筆が求められるので注意してください。
提出先となる大使館・領事館の調べ方
後述する一部の国・地域(代理申請機関が指定されている国・地域)以外では、外国人配偶者の居住地を管轄する、最寄りの日本大使館・総領事館がそのまま査証申請の提出窓口になります。ちなみに、大使館と領事館をまとめて在外公館といいます。
管轄地域は外務省で公表されている
外務省Webサイトに、各国の大使館の情報や管轄区域が列挙されています。そのほか、所在地などの詳細は、配偶者の国にある大使館・総領事館のWebサイトから確認できます。外務省と現地大使館側で案内が異なる場合もありますが(管轄区域の線引きなど)、その際は大使館側の案内に従ってください。
配偶者ビザ:認定申請の審査は「法務省」の入管局が担当し、査証申請の審査は「外務省」の在外公館が一括して担います。
代理申請機関とは?
ベトナムやフィリピン、中国などの一部の国・地域では、大使館や総領事館に直接持参せず、代理申請機関と呼ばれる窓口を経由させます。
混雑解消や、距離的に訪問が難しい申請人を想定して設けられた施設のことを「代理申請機関」といいます。現地の旅行会社等が代理申請機関に指定されているケースも多いですが、当然その場で審査は行われません。査証申請書などの提出書類を、外国人配偶者に代わって大使館・総領事館へ送付するのが主な役目です。
査証申請書等を提出する前に、大使館・総領事館のWebサイトにある「査証・VISA」のページを参照するよう伝えてください。外国語ページもあります。
代理申請機関の有無や受付時間などは各国の在外公館Webサイトで確認できます。代理申請機関に関する記述がなければ、そのまま最寄りの大使館・総領事館へ持参してください。上記画像にあるような「領事・査証情報」といったキーワードが目印です。
査証申請(配偶者ビザ)の必要書類
- 査証申請書(証明写真付)
- パスポート原本
- 在留資格認定証明書注意
外国人配偶者がどこの国籍でも、これら3点は必ず求められます。また、配偶者の居住国や居住地域によっては、その国で発行された結婚証明書(Marriage Certificate)や出生証明書(Birth Certificate)、日本側の戸籍謄本などが併せて必要になります。
電子在留資格認定証明書について
注意在留資格認定証明書の電子化を利用した夫婦には、認定証明書の原本が郵送されません。代わりに「交付通知メール」が入管庁から届きます。
電子化を希望した場合は“電子在留資格認定証明書の交付”に関するメールが届くので、当メールを外国人配偶者に転送してください。査証申請時にメール画面の提示が必要になりますが、当サイトではメールを印刷して持参するよう推奨します🙆♀️
参考 認定証明書の電子化について出入国在留管理庁必要書類はどこで確認できる?
必要書類についても、前項で紹介した、各国大使館・総領事館のWebサイトから確認できます。
“在留資格認定証明書(COE)に基づく査証申請”などの文言が目印です。日本語だけでなく、外国語版の案内ページを作成している日本大使館・総領事館がほとんどなので、該当のURLを妻や夫に教えてあげるとスムーズですね。
結婚前に短期滞在ビザで招待したときとは書類が変わる点に注意しましょう。
配偶者ビザにおける査証申請書の書き方・記入例について解説しました。ちなみに、弊所にご依頼いただくと、追加料金なしで査証申請書のサポートが付いてきます🙆♀️