- 確定申告書のコピーを添付しておこう
- 所得額(売上-経費)が審査の基準になる
- 住民税の滞納があると不利になる
このページでは、フリーランスを含む個人事業主・自営業者の配偶者ビザ申請について解説しています。
この記事の目次
はじめに
当記事は、自営業者の中でも、法人を設立していない方が対象です。会社代表者や役員の方については以下の記事で解説しています💁♀️
会社役員や経営者が配偶者ビザを申請するときの注意点3つ結婚ビザ申請と自営業者の職業証明
配偶者ビザの申請において、身元保証人(扶養者)の職業証明は必須ではありません。ただし、審査上は生計要件*がビザの可否を判断する一要素になっているので、収入額のほか、あなたが個人事業主であることも立証したほうが有利になりやすいです。
*夫婦として生活できるだけの収入・資産があるかどうか
個人事業主は確定申告書を添付する
フリーランスを含めた個人事業主は「確定申告書控えのコピー」が職業証明資料に相当します。
具体的には、直近年度の確定申告書控えのコピーが結婚ビザ(配偶者ビザ)申請に使用できます。郵送等で申告した場合は受領印が、電子申告(e-Tax)を利用した場合は受信通知が別途求められます。
【結婚ビザ】確定申告書は誰が何のために提出するの?追加資料で求められる場合もある
まれに審査の途中で、入管局から追加資料として提出通知を受けるケースもあります。最初から添付しておいて損はない書類といえます。
記載されている屋号や氏名、連絡先などから、あなた(日本人配偶者=身元保証人)の在職状況を立証していきます。そのほか、営業許可証のコピーも職業証明になり得ますが、手元にない方も多いので、基本的には申告書コピーの添付でOKです。
在職証明書の提出はNG
在職証明書は勤務先が発行する書類なので、会社員などの「被雇用者」に対して交付されるのが一般的です。自営業者の方は注意してください。
職業証明といえば、たいてい在職証明書を指しますが、自営業者(個人事業主)の配偶者ビザ申請では使用しません。捺印を付して作成しても、自分で自分が事業主であることを証明する内容になるため、信憑性に欠けてしまいます。
在職証明書の代わりに申告書コピーを提出するイメージです。
結婚ビザ申請では所得額が重要
配偶者ビザの審査項目である収入要件は、年間所得額が主な基準になります。
結婚ビザ申請において、個人事業主が最も注意すべきは「年間の所得額」です。過度な節税や黒字の圧縮は、審査上マイナスになる可能性があります。
所得の目安は250万円
実際の審査では、赤枠部分で示した所得額が重視されます。確定申告書は職業証明のほか、所得証明の役割も担うため、1枚の書類で2つの項目を立証することになります。なお、結婚ビザ(配偶者ビザ)申請における所得の目安は約250万円とされています。
所得は「売上-経費」で算出
所得額は最終的に手元に残った金額を指します。売上の多さは審査にさほど影響しないので、過剰な節税・経費計上は不利になる場合があります。
具体的な事例
- 売上金額2,000万円
- 所得金額100万円
このような組み合わせを仮定した場合、1ヵ月の所得は約83,000円とみなされるため、配偶者ビザの身元保証人には適さず、在留資格の取得は難しくなると予想されます。「本当は所得以上のお金があります🙋♀️」は通用しないと考えてください。
ちなみに、所得額は市役所・区役所から発行される「所得課税証明書」に順次反映されていきます。
自営業者の残高証明書の取り扱い
- 個人用の金融機関口座使用OK
- 事業用の金融機関口座使用OK
銀行等で発行される残高証明書は、配偶者ビザ申請の必須書類ではありません。ただし、申請時点の資産状況を立証できるため、一般的には提出したほうがいい資料とされます。事業用の口座残高証明であっても、原則は申請に使用できます。
金額次第では審査で有利に扱われます。まとまった貯金があれば添付しておきましょう。
あくまでも補助的な書類
配偶者ビザの審査では、結婚生活の継続性・安定性が大きなポイントになります。そのため、残高証明書を提出しても劇的に許可率が上がるわけではありません。なるべく提出しておきたい書類、という理解でOKです。
配偶者ビザ申請で残高証明書は必要?いくら貯金があればいい?住民税の納付状況も確認しておこう
個人事業主の方は、住民税の納付忘れに注意してください。住民税の納税証明書は申請時の必須書類に指定されています。
身元保証人(扶養者)が住民税を滞納していた場合、配偶者ビザの審査は不利になります。被雇用者と異なり、個人事業主は住民税を自分で納付するため、納税忘れがあると正確な納付状況が反映されません。
納付状況はどの書類を見ればわかる?
市役所・区役所から発行される納税証明書に記載されています。最新年度のものを取得しましょう💁♀️
未納税額と納期未到来税額が一致していれば基本的に問題ありません。なお、自治体によって様式は変わるので、画像とは異なる場合があります。納期限経過未納額と記載されているパターンもあるので、お手元の書類を確認してみてください。
こちらのページでもう少し詳しく説明しています🙆♀️
滞納があった場合の結婚ビザ申請
完納してから(全額納めてから)の申請がベストですが、納税途中で申請する際は、分納内訳書や納入書・領収証の添付を推奨します。
配偶者ビザの申請時点で住民税の納付が終わっていない(分割で納付している)場合は、分納中であることを立証する資料も併せて添付しておきます。
分割納付の領収書は小さい場合が多いので、日付順に並べてコピーをとるのがベターです。
納税の義務を果たしていないと、配偶者ビザの身元保証人としての適格性を欠くことになります。税金面に関しては、なるべくクリーンな状態にしておきましょう。
おわりに
自営業者(個人事業主・フリーランス)の配偶者ビザ申請について解説しました。この記事の内容は、会社員の方にとって関係のないことばかりです。言い換えると、事業主がビザ申請に臨む際は、綿密な検討が求められますね💁♀️